魂理論
数学の時間。宿題を忘れた女子生徒はその場で立たされていた。
「なあ、須藤。なんでお前は、毎回毎回宿題をやって来ない?やる気がないのか?」
教師が半ば呆れながらそう注意すると、彼女は真剣な表情でこう言った。
「先生。人間は日々変わっているのです。その理由が分かりますか?分からないですよね?それは、先生が気付いてないからです。いいですか先生。私達人間は、夜寝ている時に魂が他の魂と入れ替わっているです。その魂は、他の人の魂なのです。つまりです、夜寝ている間に他の人との魂が入れ替わることで、私は昨日の私ではないのです。勿論、記憶はちゃんとありますよ。肉体が記憶を持ってますからね。しかし、魂が変わってしまっているので、昨日の私とは違うのです!ですから!昨日の私ができたことが、今日の私にできるという保証はどこにもないのです!」
その場にいる生徒全員がポカンとした表情をしていた。そんな中、教師は溜息をつき、こう言った。
「いや、お前一度も宿題出したことないだろ」
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