摩天楼

 摩天楼の影を走る一人の少年。今夜の闇は辺りを一層暗く染めている。


 息を切らせて走る少年の背後、音も立てずに“それ”はいた。迫り来る、確かな気配。少年は闇より抜け出そうと必死に駆ける。それでも付けてくる“それ”。


 中央セントラル通りの光は、それ以外を消し去っていた。

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