第3話金髪の魔導士
「ご馳走様でした。」
俺は、合唱するとその行為をスレイブは興味深そうに見ていた。
「なんだそのポーズ?」
「食べ物に対して感謝するための儀式的なものだ。体が覚えていたようだ。」
「ほーん。おもしれ―な」
と本当に面白いのかと俺はスレイブを疑ったが、追及はしなかった。
理由は別段深いものではない。ただめんどくさいのだ。
「そうだ、スレイブ八人の魔女のことを深く教えてくれないか?」
俺と同じランクの数少ない魔女それがなぜかとても気になった。
そう言われたスレイブはなぜかうれしそうな顔を浮かべた。
「俺も知っていることは少ないんだが、八人の魔女というのは、それぞれ固有の強大な魔力アビリティを持っているらしい。」
アビリティか・・・。俺のは「支配」。
これも関係あるのか。
「まあ八人の魔女は別名八つの枢要罪と呼ばれているらしい。彼女たちは地上の魔族の討伐もするらしいが、決して魔導士のギルドに入らない。ソロでやっているとかなんとか。まあそんくらいだ。」
八人の魔女ね・・・。興味深いことではあるが、別に見つけようとは思わないが・・・。異世界に来たのはいいもののやりたいことが見つからなかった。
「ありがとう、スレイブ。」
「ああ、まあ何か分からないことがあったら言ってくれ。俺は仕事に行ってくるぞ。」
そういってテーブルにお金を置き、手を上げ風のように消えていった。
そうして俺はぼーっとしていると、ケールが厨房から現れた。
「みんないい人だな。」
と俺はケールに話しかけた。
「そういうわけでもないのよ。あの人が君みたいな少年に優しいのは、あの人には君くらいの息子がいて、魔導士で自慢の息子だった。でもね、ある日地上での戦闘で死んでしまったの。だから、君のような少年に会うと息子が重なるんじゃないかしらね」
と言った。あの笑みからは想像もできないことであった。
ケールはいきなり手を「パン!」とたたいた。
俺は突然のことで跳ね上がった。
「な、なんですか?」
「なんかしんみりしてたからね。そんなことより、りゅーまちゃん、その服とてもこの国で目立つわ。お金渡すから買ってきな。」
笑顔でそういったが、さすがに気が引けるので俺は愛想笑いを浮かべた。
「さすがに服までお世話になるには。」
「買ってきな」
と強引に押し切られてしまった。俺は押しに弱いなと身をもって感じた。
そして俺は今、外に出て買い物に行くわけだが。道が分からない。
ケール曰く、店なんて大通り出ればめっちゃあるから、適当に行きなさいと言われた。
初めてのお使いより難易度たけーよと俺は泣きそうになった。
俺は薄暗い小道をゆっくりと進んでいると道はどんどん明るくなっていった。
そして比較的大きな道に出た。ここまでは憶えているのだが、俺は生憎方向音痴で全然道を覚えていない。だから、感覚をたよりに、帰りの道だけ覚えて、散策することにした。
街はレンガで彩られ、地面は石畳であった。通行人は、黒いローブを着た魔導士らしき人、軍服を着た人、買い物に来ている、一般人やさまざまであった。
俺は近くの角を曲がることにした。そして、遠くからドタバタと足音が聞こえた。
俺が道を曲がった瞬間、黒いフードで顔を隠している人が猛突進してきたので、よけきれづ、激突した。
「いてて」
俺の手には何か柔らかい感触があった。そして俺の身の上には女の子がかぶさっている。これは、いわゆるラッキースケベだと断定した。
そのため、俺はこの感触を味わった。
「ふひゅ!あっ!やめてくださーい!」
そういって俺は顔面を殴られ、吹っ飛んだ。殴られてるけど後悔はない・・・。
そして俺は倒れていると
「す、すいません。反射的に殴ってしまって。」
俺のぼやけた視界には金髪でロングのかわいらしい女の子が立っていた。やはり感触通り胸は大きかった。
彼女は遠くの方に目をやり、何かに気づくと俺の背に逃げ込み、軍服を着た男たちが走り去るのを確認すると俺の前に出てきた。
「ごめんなさい、急に背に隠れたりして。」
「お前何かやらかしたのか、犯罪・・・」
「べ、別にそんなことないですよ~」
「まあ良いんだが、敬語はよしてくれないか。個人的になんか嫌だ。」
「分かったー。」
「お前ずっと逃げてたのか?」
そういうと彼女は照れながら、
「うん!そうなの」
と言って舌を出した。ボッチ生活の弊害でうまく会話ができねー。俺は以前の俺を恨んだ。前に美少女がいるというのに。
「そう言えば、お前魔導士なの?」
「そういえばそうだね。まあこの島に調査しに来たんだけど、情報を開きすぎて追われてた。」
話を聞く限り、すごい魔導士であることは間違いなかった。
「色々魔導士も大変だな。お前は今からどうするんだ?」
「この島には情報収集できたから、まだ滞在するつもりなんだけど、今からこれと言ってすることはないね。」
初対面の奴にべらべらしゃべりすぎだろと心底思ったが、あえて突っ込まなかった
。
「だって君、この世界の人じゃないでしょ。」
俺はこの言葉を聞いてぞくっとした。なんでなんでも言いてないのに分かるんだ?
俺は魔導士という存在に畏怖を感じた。
「この世界では珍しい黒髪そして、その服なんて見たことがないから、私の魔法【情報照合】(インフォメーション・コレート)でこの世界にはないものだと判別したの。
ただそれだけだよ。」
と彼女はどや顔をしていった。
かわいいから許す!心の中で俺はそんなことをつぶやいた。
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