第3話

徐々に高くなる轟音。

バキバキと何かが折れる音がする。

あまりに大きくなり続ける音に私は思わず叫んだあと耳をふさぎしゃがみこむ。


ふと気がつくと音は止み洞窟の側面がばらばらと剥がれ落ちている。

「何の音だろう・・・」


ヒリヒリと指に痛みが走る。

どうやら竜に似た岩で指を切ったらしい。


採掘終了の時間は15分ほど前に終わっていた。

岩のことは気になるが戻ったほうがいいかもしれない。

外から聞こえた音のことも気になる。




「そんな・・・・」

私は思わず声を漏らす。

飛行機だ。


鉱山に飛行機が墜落している。

肌を焼く熱風。

すごい勢いで上がる煙が雨雲のようになっている。



学校への入り口はどこだろう。

早く戻らなければ息が苦しい。

熱気で目が溶けそうだ!!


私は洞窟を探したときの方角を頼りに・・・・・

ダメだ!!!!


上がる煙で方角がつかめない!!

とにかくここを離れないと



走ろうとした方向に火が回る!!



このままじゃっ・・・・!!!!!!


バキパキッ!!!

木が燃え崩れて押しつぶされる!!!











直前で地面がボコボコと盛り上がったところで私は意識を失った。










目が覚める。

「よかった。目を覚ましたのね」

養護教諭のリザがいることでここが保健室だと気付いた。


「危ないところだったわね。ひどい火傷を負っていたのよ。

アルクス先生が急いここへ連れてきてくださったのよ。

魔法で治療したけど腕の傷は治すことができなかった。ごめんなさい。」


「大丈夫です。ありがとうございました。」

これは火傷じゃないんですよ先生................


「鉱山で燃える飛行機を見ました。

先生は何か御存じですか?」



リザは申し訳なさそうに首を振り「今そのことでアルクス先生が調査団の調査に協力しているところよ。私もあなたたちの採掘の授業中に落ちたということと貿易用の航空機だったことしか聞いてないわ。」


「そうですか。生徒のなかでけが人は他にも?」


「数名いたけ墜落のときの衝撃で軽傷を負ったくらいよ。

重症だったのはあなただけ。」



「そうだったんですか。」

この国は鉱山で島の半分を囲まれているため国内で調達できない資源は海を越えるか鉱山を越えて他国から仕入れなければならない。

あの飛行機は鉱山を越えるのに失敗したのだろうか、こんなこと初めてだ。





「失礼します!リザ先生!」

保健室のドアが開いた。

アルクスと、後ろにいるのは調査団の人だろうか。






「あなたがアニーですね。鉱山に落ちた航空機についてお話を伺いたい。」























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足元の鼓動区 イトシン【凡人】 @sns110

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