第5話


王都へと旅立ってから数日が経とうとしていた。

「なぁシャルロットーいつになったら着くんだよ?」

「あと2日と言ったところですかね?」

「あと2日も?!」

「はい」

俺たちは今馬車の中にいる。

何故馬車の中にいるのとかと言うと、俺が疲れて歩きが嫌だと言ったからである。

馬車に乗ったのは2日前だった。

「なぁシャルロットあと何時間ぐらいで着くんだよ?」

俺はけだるげに聞いた。

「そうですね。あと7日と言ったところですね」

「7日かーあと少しで着く......?!はぁ?冗談だよな?」

「いいえ。冗談じゃないです!」

「7時間の聞き間違いじゃないよな?」

「聞き間違いじゃないですよ!あと7日ですよ」

「ああああああああ」

俺は叫んだ。

俺は精神的にとても疲れていた。

「なぁなんで歩きなんだよ?」

「いや別に特にこれと言った理由はないですね」

「じゃあさ、馬車とかに乗ろうぜ?この辺に馬車とか乗るところないのかよ?」

「まぁないってわけじゃないですね!」

「じゃあ馬車に乗ろう」

「あ、でも馬車乗り場がある街まであと1日はかかりますよ!」

彼女は若干悪魔みたいな笑顔で笑った。

「ああああああああああああああああ」

俺は再び叫んだ。

ということがあった。

馬車に乗ったのは1日前だ。

「なんで馬車でもあと2日かかるんだよ?」

「それは王都がかなり中央にあり遠いいからですよ」

「まさか......シャルロットの家って......」

「はい!王都から真東です!大陸の一番端の方ですね!」

「マジか......」

俺は内心大変だなと思った。

「それから馬車は数時間走り続けた。」

周りが暗くなり本格的な夜になってきた。

「じゃあ今日はここでテントを張り休みます」

馬車の運転手から声がかかった。

馬車を止め、俺たちはテントを張った。

「ほかにも王都に行くやつとかいるんだな」

「そうみたいですね」

周りを見ると俺たちだけではなく他の人達もテントを張っていた。

テントが張り終わり次は火をつけるための薪拾いだ。

「じゃあ俺はそこら辺で木の枝とか取ってくるからシャルロットはここにいてくれ」

「はい!分かりました!」

俺はそういうと薪を拾い始めた。

数分で火をつけられそうなぐらい薪が集まりテントまで戻った。

「シャルロット!薪集めてきたぞ!」

「お疲れ様です慎さん!」

薪を組み立てる。

そして俺は火起こしを始めた。

「なかなかつかないな」

「慎さんは何をやっているんですか?魔法を使えばいいのに」

「あっ!忘れてた!」

俺は完全に魔法のことを忘れていた。

そうだ。ここは異世界だ。魔法も使えるんだ。しかも俺は全属性が使える天才じゃないか。

「すまんすまん。うっかり忘れてた」

「もぉーなにやってるんですか」

俺はすぐさま火起こしを止め詠唱した。

「プロ・ファイ・メテウス」

俺がそう詠唱すると手から火が発射され木に火が移った。

「燃えましたね!」

「あぁーそうだな」

無事に火がつきあらかじめ用意していた材料を使いご飯を食べた。

「なぁシャルロット」

「はい。なんです?」

「俺お前と出会えて良かったかもな」

「〜〜〜〜〜〜っん!何ですかいきなり!」

暗くてよく見えないが火の光で僅かにしか見えないがシャルロットの頬が赤く染まっているような気がした。

「いやいやほんとに出会えて良かった」

「そうですか!まぁ悪くはなかったかもです」

「あはは。シャルロット見ろ!星がめっちゃ綺麗だぞ!」

「ほんとですね!」

しばらくの間俺たちはずっと星を眺めては話していた。

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