第4話


シャルロットと出会ってから数日が経とうとしていた。

「なぁシャルロット」

「なーに?」

「魔法ってすげー便利だな」

「まぁそーですね!組み合わせ次第でなんでもできますからね」

そう。魔法とはとても便利なのだ。

魔法の説明をしようか。

魔法は全部で5つに分かれている。

火、水、草、光、闇。

組み合わせ次第で雷、木、土、爆発などを作ることが出来る。

みんなそれぞれどれか一つの属性が生来備わっているのだ。

簡単に説明したら今の感じだ。


俺は数日前シャルロットに魔法を教えてもらった。

「なぁシャルロット魔法の適正属性ってどうやって分かるんだ?」

「あーそういえば言ってなかったですね。この石に手をかざすだけで分かりますよ」

出てきたのはいかにもふつうの石だ。

「火の場合は赤くなり、水の場合は青くなり、草の場合は緑くなり、光の場合は光、闇の場合は黒くなる」

「この石がそんな風になるんだ」

「それじゃぁ手をかざして下さい」

俺はシャルロットに言われたとおり手をかざした。

するとその石はシャルロットがいったどれとも違かった。

石はすべての色を放っていた。

それを見たシャルロットは目を大きく見開きとても驚いている。

「そ......そんな......」

「これがどうかしたのか?てかこれ何属性だよ?」

「......」

シャルロットはずっと黙ったままだった。

数分後シャルロットは口を開いた。

「五つの色が石に出たらそれはすべての属性がつかえるのです」

それを聞いた瞬間俺は目を見開いて驚いていた。

だって俺みたいな奴がそんな最強に近い能力を手にするなんて思わなかったから。

「今この世界で発見されている全属性使いは慎を合わせて《《4人》)です」

「あと3人もいるのか」

「はい。1人目はアーガス王国の王子です」

「アーガスの王子......」

アーガス王国。リベリアルファンタジアに出てきたアーガス大陸の王都にある国だ。

「そして2人目は魔王サダンです」

魔王。ファンタジー世界では必ずと言ってもいい程出てくる。

「魔王サダンですか?」

「はい。今は何もしていないのですが近々侵略を始めるという噂を聞いたりします」

「で、3人目は

「オルシエル?」

魔王サダン、四神、アーガス大陸その他もろもろ。

それらの名前はリベリアルファンタジアで知っていた名前だった。

だが四神のオルシエルという名前は初めて聞いた。

「あの他の四神の名前と他の大陸名教えてもらえますか?」

「はい。いいですけど」

俺は引っかかっていた。もしかしたらここはリベリアルファンタジアの世界ではなく別のリベリアルファンタジアとは別の世界なんじゃないかと。

「四神はさっき言ったオルシエルとジースとブィガンとボルネスの4人です」

四神の他の3人の名前は知っていた。リベリアルファンタジアと同じだ。

だがオルシエルだけが違った。

「大陸は7あるとされています」

「されている?」

「6つまでは見つけたんですがもう1つは見つかっていないらしいです」

リベリアルファンタジアより大陸が一つ増えている。

「第1大陸アーガス、第2大陸フェアー、第3大陸ラナガナ、第4大陸シャンナ、第5大陸シイナ、第6大陸ガンズです」

この6つの大陸名はリベリアルファンタジアと同じだ。

だがもう一つ増えているとは。

やはりここはリベリアルファンタジアと似ているが違う世界なのかもしれない。

「教えてくれてありがとなシャルロット」

「いいえ。お役にたてたなら」

シャルロットはにこやかに笑った。

ということが数日前にあった。

現在に戻ろうか。

今俺はソファーに横になり寝っ転がっている。

ニート生活状態だ。

何故かって?そりゃもちろんやることがないからさ。

「もぉー慎さん!また、そーやってソファーで寝っ転がって!魔法の練習はいつやるんですか?!」

シャルロットは頬を膨らませながら言った。

これがまた可愛い。

「あとちょっとでやるって」

「ちょっとって何分後ですか?」

「うーん。5分後」

「5分後ですね!5分経ったら強制で外に連れて行きますから!」

「分かったよ」

「もぉー自分から教えてくれって言ったのに!」

シャルロットはまた頬を膨らませながら怒った。

怒る姿も可愛い。


そして5分後......


「よし。シャルロット!外行くか!」

「はい!」

彼女はにこやかに笑った。

「まず手に意識を集中させます」

「手に意識を集中......」

あれから3時間近く俺は魔法を教えてもらった。

簡単な魔法はすべて使えるようになり今は融合魔法の練習をしている。

「そして右手と左手別々の属性を集中させて......」

シャルロットの目の前に巨大な氷が出来た。

「アイン・ヒュー・ロック!」

巨大な氷は地面に思い切り叩きつけられた。

「今のは右手に水属性、左手に光属性を組み合わせました」

「ほぉーなるほどな」

組み合わせ次第でマグマや隕石、氷、風なども作ることが出来るのか。

「なぁーシャルロットはいくつ属性を持っているんだ?」

「私は光属性と水属性と木属性です」

「なるほどなるほど」


それから融合魔法の練習を続けること2時間後。


「おおー!出来た!」

「おー!凄いですよ!」

俺は水属性と光属性で風魔法を作ることに成功した。

「もう慎さんに教えることはありません!」

俺はすべての属性を使いこなした。

「あの!」

「ん?なんだシャルロット?」

「私ここから離れようと思うんです!」

「え?なんで?」

「ちょっと冒険をしてみたくなりました!」

「そうか」

「だから慎さんも一緒に来ませんか?」

彼女は俺に小動物のような愛らしい目を集中していた。

そんなシャルロット願いを断れるわけもない。

それに俺も他の大陸等に行きたかったし。

断る理由はなかった。

「いいぞ。一緒に旅しよう!」

「いいんですか?!」

「あぁ」

「ありがとうございます?」

彼女は天使のような笑顔で笑った。

「それでまず王都に冒険者登録をしたいと思います」

「冒険者?」

「はい!」

「いわゆるギルドに登録するみたいな?」

「はい!そうです!冒険者しか入れない場所とかもあるんで登録しといて損はないかと」

「そーだな!じゃあ王都に行くか!」

俺たちは必要最低限の荷物を持ち、王都へ向けて歩き始めた。

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