未来少女ナノカナ

ベティ

第1話 ヒカルとナノ

ーその瞬間は、不安という感情しかなくー

ー気が付けばもう、その不安は消えて無くなっていたー



俺、ヒカルは、少し田舎の高校に通う高校1年生。

特にこれといった才能は無く、普通の平凡な生活を送っている。

しかし、それはある日訪れた。


まだ暑さの残る9月。

俺は、学校の授業が終わり、教室を出て家に着くすぐの時。

弁当箱を教室に忘れたことを思い出し、急いで学校に戻った。

教室には、幼馴染みの女子、ナノがいた。

ナノとは家が近くで、小学校からのつきあいだ。

ナノは小さい頃から頭が良かったが、無口で人見知りなので友達は少なかった。

ナノは長い黒髪を揺らし、立ってスマホをいじっていた。

彼女は何かぶつぶつと言いながらスマホをいじっている。

「ナノ、お前なにして...。」

『名前ヲ言エ』

「調査担当K13型5092241」

『跳ブ場所ヲ言エ』

「2150年9月20日カラ公園入り口」

『了解』

ナノが持つスマホから、たくさんの光が流れ出し、ナノの身体を包んでいく。

「ナノ!」

俺はナノに近付く。

ナノは驚いた顔をした後、叫んだ。

「来ないで!」

俺もスマホから出る光に包まれ、やがて視界が揺らめく。



「...ん。」

目を開けると、近未来的なビルが建ち並ぶ見たことのない場所にいた。

「ここは...。」

「...なんであなたがついてきたの。」

ナノは冷たい目で俺を見てきた。

「いや、俺は教室に弁当を置き忘れてて...。ナノ、ここはどこだ?夢の中か?」

ナノは小さいため息をついた。

「...ここは2150年9月20日、スペーのカラ公園。つまり。」


「...未来よ。」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

未来少女ナノカナ ベティ @karaagemochi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ