運命の女神様

@-akatsuki-96971

悲劇と奇跡と女神様

運命の女神様は目を惹かれた。

とてもかわいい赤ん坊がいると。



『そうだわ!あの子に魔法をかけて遊ぼうかしら!そろそろつまらなくなってきたからね!』


―エイッ!―


可愛かった女の子だが、魔法によって醜くなってしまった。


窪んだ両目に痩せぎすな体


成長してもたくさん物を食べているのに全然身に付かなくて痩せ細ったままだった。


私は現在10歳だが、周りの子達はみんな見た目から私と違う。


周りのみんなからはよくこう言われた。


『化け物!お前は僕たちとは違う!人間じゃない!近づいてくんな!』と。


私はなにもしていないのに。

自分の全てが嫌いだ。

こんな見た目だからよくいじめられた。


悲しいなんて思わない。思えばほら、また涙が溢れてくるでしょ。だからね……。


<もしも願いが叶うのならば、世界でたった一人だけの友達を。生きることは素晴らしいことだと私も思ってみたい>





『おい!化け物!そこ邪魔なんだよ!ドンッ!』


『化け物は退治しないとな!』


痛い、苦しい、どうして私はこうなんだろう。


『やめろよ!!』


『なんだよお前。』


『なあ、どうしてネズミは嫌われると思う?』


『なんだよ、いきなり!』


『いいから答えてみろ!』


『……汚いからだろ?』


『だったら……見て見ぬフリに理不尽な差別。それとネズミどっちが汚い?』


彼らは後退った。


その姿を見て彼は『二度とするな!』と言った。


そしたら彼らは逃げていった。


これが私と彼の出逢い。


今まで、私を助けてくれた人は一人もいなかった。嬉しくて涙が止まらなかった。


彼は私に優しく手を差し出した。


どうして私なんかを助けたのだろう。わたしと関われば彼が危ない。


「私に関わらない方がいいよ。だって……化け物なんだから……。」


『そんなことはない!君は女の子だ。普通に人間なんだ。だから、自分の事をそんな風に言ってはダメだよ。』


無意識のうちに涙が流れた。


『君は泣き虫なんだな。我慢しなくていいからね。』


それから二人は一緒にいることが多くなった。


いじめられそうなときは彼が守ってくれた。


どうでも良い話もいっぱいした。


そんな話をしているうちに彼が目が見えないというのを知った。


彼も自分の目が見えないせいでいじめとかにあっていたらしい。


私が同じような目に遭っていて耐えられず、助けたと言ったいた。


私が好きになる理由はそれだけで十分だった。






ある春の暖かい日に大きな木の下で涼んでいた。


私はそのうちに眠ってしまった。


彼はそっと呟いた

『貴方は素敵な女の子だ。自信をもって!そうだ!!ここで咲いたきれいな花を君にあげよう。そっと君のそばに置いておくよ。』


それは立派な一輪の白いユリの花だった。


それを見ていた女神様は『面白いこと思い付いた。』と言った。


『彼の目を治してあの子の醜い姿を見たらどう思うのかしら。きっと面白いことになるわ!見物ね!』


―ソレッ!―


運命の女神様は意地悪だ。


女の子に渡された花は不吉な黒いユリの花。


『お前に彼からの贈り物だ。ほら拾いなさい。』




「あぁ、これはきっと罰だ。私が彼に身の程知らずに恋をしてしまったから。だから、黒いユリの花を贈ったんだよね。ごめんなさい。どうか許して。」




……私はいっそ死んでしまえば良いのだろうか。

頬に流れた一筋の雫



彼は叫んだ『泣かないで!僕がずっと、死ぬまでそばにいるから!だから、今日から君は普通の女の子だ。化け物なんかじゃない!僕は君の事が好きだ。だから、死ねば良いなんて思わないでくれ!』




『それに見なよ!悪夢のような魔法は解けたみたいだよ!ほらっ!』






女神様がかけた魔法は女の子を本気で愛する人が現れない限り解けることのない魔法だったのだ。


そんな人はいないと思っていたからずっと遊ぶつもりでいた女神様は諦めて消えた。


『あーぁー、遊び足りない。何か楽しいことないかしら。』







それからの二人は悪いところが治り無邪気な笑顔が溢れ出るようになった。

それまでなかった明るさを取り戻したのだ。




この先躓くこともたくさんあると思うが二人で乗り越えよう。



そしていつか二人で……









---END---

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