第7話 決勝
いつもと違う空気を感じる。
そう今日は決勝だ。
先輩たちも経験しているとは言え
緊張をしている。
何もかも違う。
『よし、行くぞ。』
野田先輩の掛け声でベンチへ向かう。
『整列』
バシッ。バシッ。
両チームが綺麗に整列した。
そしてグラウンドに散った。
まだ荒らされていないマウンドへ向かう。
目を閉じてみる。
お客さんの声『ざわざわ』
応援団の声『声出していきましょー!』
後ろの声。『楽に行こーぜ!』
よし聞こえる!いつも通り!
野田先輩もよく見えている。
はぁァァァァァァ
『一番 ショート 秋場くん 背番号6』
一番かよ。
僕は木下さんや篠田先輩と練習をしてきた。
球速も上がりキレも上がった。
今の自分を打てる奴はいない。
さっさと終わらせよう。
『プレイ』
ウァァァァァァァン
野田先輩のサインはインローのスライダー。
前打たれた時と同じだ。
でも打たれる気がしない。
コクりと頷きモーションに入る。
『裕太。行け!』
ビュッ
よし完璧だ
パァァァァン
『ストライーク』
瑠偉を仰け反らせてストライクを奪った。
次はインハイにストレート
ストレートの綺麗さは日本一だと思うほど
自信がある。
ビュッ
グォォォォォォォォ
パァァァァン
『ストライーク』
完璧なボールで2つストライクを取る。
次は、アウトローにカーブ
球速差で三振を取りに行く。
ビュッ
よし体勢が崩れた。
ん?
カキーーーーーーン
『打たれた!?』
あの時と同じように飛んでいく。
誰か取ってくれ。
頼む。
『ファール』
風でキレたらしい。
危ない。
ただあいつもパワーはついている。
次もその次も色々なコースに投げ込むが
全部ファールにする。
ヤバい。
打たれるのも時間の問題か?
『おい裕太。あれを投げろ』
野田先輩がマウンドに来た。
そうだ!前から練習していた球
ドロップカーブこれなら行ける。
ただし抜けるかもしれない。
『分かりました。』
野田先輩は戻っていく。
そしてドロップカーブのサインを出す
コースはどこでもいい。
とりあえず、投げ込む。
ビュッ
パァァァァン
『ストライーク。バッターアウト!』
決まった。完璧だった。
勝負に勝った。
これで蛭田先輩や篠田先輩の事も聞ける!
『よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ』
まだ1アウトだぞ。
この後僕は完璧な投球をした。
一つも安打を許さなかった。
『ストライークバッターアウト!
ゲームセット』
よし!優勝だ!!
『よくやった。裕太。』
これで甲子園だぞ!!
篠田先輩がはしゃいで言う。
監督もコクりと頷く。
よしこれで話を聞ける。
こうして瑠偉の所へ向かう。
しかし背後から誰かが迫ってきている。
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