退職後編4話:避寒のハワイ旅行とグアムでバーゲンで買い物

 そして1999年、20世紀は終わりを告げ2000年、21世紀の始まりとなった。

 騒がれていた2000年問題も特に大きな問題もなく杞憂に終わった。

 2000年の夏に水野証券の佐藤課長は大阪の営業所の所長として栄転していった。

 その後も佐藤課長とは電話で相談する事にした。ネットバブルは世界的な株式市場の低迷期間なので相場が回復するまで何もするなと言われた。

 2000年に北島夫婦は春にホノルルへ行きザ・バスのフリーチケットをかって、

オアフ島を回る事にしたのである。初日、バスターミナルからハワイ大学マノアへ

乗換なしのバスで出かけた。素敵なキャンパスで散歩したり見学させてもらった。

 日本人の学生に話を聞くと、楽しいキャンパス生活を楽しんでる様だった。

 近くのアジアンレストランも紹介してもらって、そこで昼食をとった。

 うまくて値段も安くて十分満足できた。その翌日、アラモアナセンターから

ザ・バスでオアフ島をハレイワ行きのバスに乗り、約一時間半、最初にドールの

パイナップル農園(入場料無料)に着き、ドールホイップというソフトクリームを

食べながら小休止した。園内の観光列車や、ガーデンツアーもあったが、

ただ休息するだけで、またバスに乗りハレイワへ向かった。ハレイワから

タートルベイ・ノースショアへ行きヒルトン・タートルベイホテルで休息して東回り

アラモアナセンターへ帰ることにした。ただ北島の奥さんが長時間のバス旅に疲れた様でタートルベイから、どこにも寄らずに帰ろうと言い出した。

 仕方なく途中の景色を楽しみながら行く事にした。帰りのバスで、まずポリネシアンカルチャーセンターが見えて今回の旅行で行きたいと言いだした。

 東海岸は、あまり人が多くなく学校や静かなビーチが多く点在していた。

 カイルアやラニカイビーチが特にきれいだった。どこにも寄らないで正解であり

長時間のバス旅は意外に疲れるのでアラモアナセンターに着く頃には、へとへと

だった。ホテルに戻ると既に暗くなっていて軽く夕食をとって、ベッドに入った。

 翌日ホテルのフロントでポリネシアン文化センターへ、ザ・バスで行く方法を聞くと時間がかかり大変だから送迎付きのツアーをすすめられたのでツアーで行く事に

した。文化センターに着くと、昼食、いわゆる米国特有のプレートランチで量は多いが味は今ひとつ。

 その後に案内人付きで園内ツアーに出かけた。フラダンスの指導をしてくれたり、楽しいツアーだった。

 案内人の話によると、この施設は近くにあるブリガムヤング大学ハワイ校の学生への奨学金、

仕事の場を与えることを目的として設立された様で働いてる人のほとんどが大学の

学生だと言っていた。ハワイの文化を尊重しキリスト教の布教に努めているそうだ。

 夕方にホテルに着き、この日も早めに床についた。

 翌日はバスで観光するのではなく散歩をする事にした。ワイキキから西に海沿いの道をアロハタワーに向かって歩き出した。最初にアラモアナショッピングセンター

が見え次にワードセンターでコーヒーを飲みワードセンターを見て回った。

 十分に休んで、散歩を再開して歩き出した。右側にはホノルルのオフィス街が見えたが、あまり高い建物は見当たらなかった。少し行くと左側は海でヨットハーバー

も見えた。交差点を直進すると、側に倉庫街が見えた更に進み、側を歩いて行くと

遠くにアロハタワーらしき建物が見え出した。しかし疲れたせいか歩いても、

なかなかつかない。20分位してアロハタワーマーケットプレイスについた。

 やはりハワイは暑い、もう既にへとへとである。ここで昼食と長い休息をとった。

 そして帰りはザ・バスで帰る事にした。アロハタワーの近くにホノルル港があり、

ハワイ四島めぐりクルーズや遠くはタヒチ、片道七日間のクルーズもある様だ。

 近いうちにハワイ四島巡りクルーズに行きたいねと、北島夫婦は話した。

 そして四泊六日の旅を終え帰路についた。2000年は、年初から下げはじめ早めに

1996年に300万円でかったSP500ETFを全額売却し670万円の現金を手した。

 その時の北島家の資産は、約5千万円である。ネットバブルがはじけてヤフー、

ソフトバンクも株価が急降下し、この時は株は見てるだけにしてた。


 2000年のクリスマスバーゲンにグアムに出かけ割安な洋服などを買って帰ってきた。グアムには三つの大きなショッピングモールがある。

 マイクロネシア・モール(メーシーズ)ハガニアショッピングモール、グアムプレミアアウトレットがあり、そこをトロリーバスが頻繁に通っている。

 そしてTギャラリア(最大の免税店:旅行客しか入れない)は泊まっているホテルからタクシー代も無料でいけるシステムもあった。

 ただ北島夫婦はブランド品には、それ程、興味がなく大型デパート・メーシズの

クリスマス値引き商戦を目当てに出かた。この当時、ある旅行会社ではパッケージ

旅行にメーシーズで四割引のディスカウント券を配ってくれるので、それを十分に

活用したのだ。この年は、まだ資金があるので何か高価な宝飾品が欲しいと女房が

言った。そこで黒真珠を捜し始めた。そして店員に上手な買い方を聞いた。その店員

によれば黒真珠でも売れ行きの良い綺麗な中玉は重さ当たりの単価が高くなり大きくて販売価格が高い商品の方が実は売れ残ると教えてくれた。

 そう言う商品を見つけたら店員に値切ってみると良い。買うんつもりだけれど??ドルにならないと値段を下げていき最初はクレジットカードで買うと言い値段が

下がってきたら更に実際にドル紙幣を見せて即金で買うから??ドルにしてと駄目

を押す方法が最も良いと笑いながら教えてくれた。

 翌日マイクロネシア・モール(メーシーズ)に行き黒真珠を見るとショーケース

には、ほぼ同じサイズの製品が並んでおり少し離れたケースに、ひときわ大きな

ものが置いてあった。ちょっと見ると中小型の方が形がよく見え、確かに美しく

見える。その点、売れ残っている大型黒真珠ネックレスは大きいためよく見ると、

いびつさが目立つ。大きい黒真珠は3800ドルと書いてあり40%割引券を見せると

店員がOK2280ドルだが2千ドルで良いと言った。そこで1600ドルにしてよと言うと、それでは儲けがないから困ると言った。でも売れなくて在庫になったら困るん

じゃないというと笑って仕方ないわねーという感じになった。多分いけそうと踏んだので現金を見せてドル紙幣は1500ドルだけしかないけど現金で払うからと言うと

さすがに困った顔をして、ちょっと待って彼女だけでは決められないので相談してくると言った。数分後、戻ってきて彼女が、この事は誰にもしゃべっちゃ駄目よと言い渋々OKした。そしてついに大玉の黒真珠ネックレスを3800を1500ドルに61%引きで買った。中小玉のネックレスとほぼ同等の値段である。北島夫婦は関西人ではないが値引きには実にうるさいのだ。その後、何かの機会には必ず奥さんは、その黒真珠をつけて行くのだった。今回の旅行では、これが最大の出来事だった。

 グアムは冬でも暖かく十時過ぎに散歩に出かると日差しも強く汗びっしょり

になり身体や頭の調子がすこぶる快調になってくる。それが自律神経失調症には

一番良い、南国療法なのかもしれないと思う北島だった。

 その他食事はホテルの隣のバーベキュー・リブの専門店トニーローマや、カプリ

チョーザで食事を楽しんだトニーローマのリブは、にうまいので何回も通った。

 カプリチョーザは大盛りでピザでもパスタでも一人前を二人で食べても食べきれ

ないほど多い。日本人の中高年は日本食とか、ごはんが食べたいというのだが

 北島夫婦はチーズや、リブ、パスタ、ピザが大好きであり一週間の滞在でも全然、

食事の問題はなかった。

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