昼休みの庇と鈴桐

「ごきげんよう、マッカーサー」


「お前、華道部の面々と弁当を食わなくてもいいのか」


「今はいいんだよー、皆頭の中お花畑だし」


「――中々辛辣な事を言う」


「やだなー、そんなつもりじゃなかったんだよー。じゃあ、ほら、口直し口直し。私とチョコ、どっちが好き?」


「ここでお前だと答えたらどうなるんだ」


「マッカーサーが年間にもらえるチョコがひとつ増えます」


「それはありがたい話だ」


「ね、マッカーサーは2月14日って何の日だと思う?」


「俺はずっと七の段の掛け算みたいだと思っているが?」


「面白いこと言うねー」


「俺はチョコが好きだ」


「うんうん、マッカーサーはそうだよね。はい、これあげるよ」


「毎日感心な事だな」


「チョコレートの底なし沼も、諦めずに埋め立てればいつかは足がつくと思ってるからね」


「なんだ、お前『チャリチョコ』でも観たのか?」


「略すと『しゃちほこ』みたいだね」


「しゃちほこの金色って、チョコを包んでいるアルミみたいだろう?」


「あー、確かにそうだねー」


「以上だ」


「あはは、目が覚めたよ。ありがとうね、かかおー」


「うむ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る