13 裏の顔

「「キーンコーンカーンコーン」」

授業終了のチャイムが学校内に響き渡る。


「はい〜今日の授業はここまで〜今日、出した宿題やっとけよ」

今日も、怒った顔をしながら教室から出て行くチ○ポ先生じゃなく……本帆先生


「ふぁあーー」

寛太が、背中を伸ばしあくびをして居いると……

顔を、赤くした莉緒が俺の制服を裾を引っ張って話し掛けて来る


「あ、あの……あとで屋上来て……お願い」

恥ずかしいのか、下を向いていてとても可愛いらしい。


「お、おう……」

俺が、返事をすると小走りで莉緒は教室を出て行った。

なんだ……?なんで屋上?

もしかして、雪乃の時と同じく告白……!?ええ!今日、会ったばかりだぞ!

そんな、事を想像しながら鼻の下を伸ばして寛太は屋上へゆっくり階段を登っていく

屋上のドアに手を掛けて寛太は大きく深呼吸をし。


よし……クールな男を演じるぞ……

心で、そんな事を呟き寛太は少し緊張しながらドアを開いた。


だが……そんな俺の妄想も一瞬で吹き飛んでいく。


「な、なんで秋が……」

そう屋上にいたのは、莉緒と秋の2人……


え……?なんで?困惑して言葉が出ない


「お久しぶりです。寛太くん」

そう言って、軽く礼をする秋


「はああ、もう演技疲れるんですけど〜」

そんな、文句を1人で言っている莉緒……あれ?なんかキャラ変わってね!?

完全にキャラが変わっている莉緒さん……


「………」

寛太は、そんな2人を頬を引きながらマジマジと見つめる。


「「なに?」」

2人声を揃えて、俺を睨む……


うん。今、俺が言いたいのは一言だけだ……『は?』ただその一言を俺の前に居る2人に言いたい。


「あ、あの……お二人はどんな関係で……」

俺が、かしこまりながら質問をする。


「はい。私は、この莉緒お嬢様のひつじをやらせて頂いております。」

ひつじ?羊?そんな、馬鹿みたいな事を考えて居る俺の顔を見て秋は


「馬鹿なんですか?ひつじです。羊じゃなくて……」

どうして分かった……


「ねえ〜秋〜暑い〜」

そんな、お俺と秋の話を遮り秋に文句を言う何処かのお嬢さん


「はい。ただ今……」

そんな事を言い。どっから出して来たのか知らないが日傘と天然水と書かれたペットボトルの蓋を開け莉緒に渡す秋。


「プハー!で、寛太くん。担当直入に言わせて貰うわ……」

水を勢い良く飲み満足そうな顔で莉緒は俺を見て話す


「あんた、誰かに記憶操作されて居るわよ。」


は?

記憶操作?なんだそれ……?

首を傾げ固まる俺を見て、莉緒が呆れた表情で口を開いた


「だから、記憶を書き換えられて居るわよって事!」


「ほー、え?なんでそんな事?」

そう言ってウンウンと深く頷く寛太


「それは、秋に頼んであんたの事を調査させたからよ、それで貴方はイタリアに居た時の記憶など色々かいざんされていたわ。」


「調査……?記憶?え?じゃ、じゃあ最初の依頼って……」


「ええ……あんたの推理力を試させて貰ったわ流石シャーロック・ホームズの子孫ね私でもかなり驚いたわ」


「えええええ!」

俺は、大声で叫び……地面に倒れこむ。


「あ、あの……あの時は、すいませんでした。調査の為にした事ですのでお許しください」

申し訳無さそうに、頭を下げる秋……


「あ、ああ……いいよ別にじゃあ『革命』って何だったんだ?」

そう、あの時……秋が言っていた『革命』その意味は……


「ああ、その事ですか。なんかカッコよくないですか?革命って……」

は……はああああああああ!コイツ何、言ってんの!?馬鹿か?本当の馬鹿なのか?てかコイツら何なんだよ調査とか記憶操作とか意味わからん……マジで!


「で、でも……盗聴器の件は?」

そう、このままでは盗聴器の件の説明が成り立たない


「あ、あれも調査の一貫だったのですが……莉緒お嬢様がもう待てないと言って学校へ急遽転校を……」


「おい、お前ら……」

秋は、深く深ーく頭を下げているのに莉緒さんは明後日の方向を向き口笛を吹いている……


「コイツ……」


「ねえ〜もう話終わった〜?」

一回コイツ、しばこうかな?本気で、そんな事を考える寛太……


「はい。終わりましたお嬢様……」


「そう……」

そう言って、俺を屋上に1人残して立ち去るお二人さん

え?今ので終わったの?え……?


「では、失礼……」


「あ、そうだ。ねえ、寛太〜私推理部入るから〜」

そう言い残し、階段をトントンと降りていく莉緒……



「え?」__________



次の日の放課後、予告通り莉緒が推理部の部室へ入部届けを出しに来た。


「あ、あの……私頭とかよくな良いんですけど、推理小説とか好きなので……この部に……」

うん。キャラ昨日と違う……

そんな、陰キャを演じている。莉緒を急遽部室から引っ張り出し寛太は廊下で話しかけてる。


「お、おいどう言う事だ……?」


「昨日、言ったじゃない推理部入るって!」


「いや、そうじゃねえそのキャラだよ!何でそんなの演じてんだよ!」


「いいじゃない、面白そうなんだから!」

そう言って、頬を赤くして膨らます莉緒……


「「遅い〜2人何してんの〜?」」

雪乃の声が、部室から聴こえて来る。


「あー悪い今戻る」

そう言って、部室に戻りさっきの続きを開始した。


「あ、あの……入部しても良いでしょうか?」

陰キャそうに、小さい声で呟く莉緒。もうこれは……ハリウッド行けるぞ……この人


「いいわ!よろしく!莉緒!」

入部を認め、挨拶をする雪乃……そんな雪乃を見て結城が文句を言う。


「おかしいですよ〜雪乃さん!私が入部する時は、なんか入部試験見たいなのしたじゃないですかあ!」


「ん……?何それ……?」

そう言って、入部試験など無かった事にする雪乃さん。


「はあ……もう良いです」

惚ける雪乃に呆れたのか、結城は珍しく飽きらめた。


「「よろしく莉緒」」

俺、馬鹿(龍斗)、心先輩が挨拶を笑顔で返す。そんな、三人を見て莉緒は微笑みながら……


「よろしくお願いします!」

元気の良い、声が部室に響く_____外では、蝉がミーンミーンと泣いていて真夏日を感じさせている。


「ところで……文化祭は?」

俺は、完全に忘れ去られていた文化祭を思い出し皆んなを見る。

あれ……?なんか皆んな、完全に忘れていた。見たいな顔をしている……



「「へ……?」」_________________

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