12死んだはずの姉
「それで……まず何からするんだ……?」
寛太は、安定の気ダルさを出し雪乃に質問をする。
「うーーん……まず、図書館で情報を探すしか無いわね……それと、この学校の卒業生に聞くしか方法は無いと、思う」
情報を探すか……これは結構長くなりそうだな
「わかった、俺と龍斗は図書館で情報を探す。女子は、卒業生を探すそれでいいか?」
「「えええ……」」
俺が、指示を出すと女子の方から批判の声が聞こえて来る。
「あー分かった……俺らが卒業生を探す」
嫌な顔をしながらも、女子の提案を承諾する寛太……
女子から拍手の音が聞こえて来る。
龍斗を連れ探しに行こうと思ったらが、部室にさっきまで居た龍斗がいない。
「あれ?龍斗は?」
「龍斗なら、さっきトイレに行くって言ったきり帰って来ないけど……」
おい………何故、龍斗を部室から出した。
クソ、逃げたな。
「はあ、じゃあ俺一人で行って来る」
俺は、溜息を口から漏らし部室から廊下へ出ていく。
でも、卒業生てっ何処に居るんだ……?そもそも、卒業生が見つから無ければ情報を集める以前の問題になってしまう。
ああ……めんどくさい……
寛太は、心の中で文句を言いながらも校長室まで向かい
この学校では、優しい方の校長先生に話しを聞いた……そう、校長先生も何気この学校卒業だったのをすっかり忘れていた。
「なんのようだい?斎藤くん」
優しく微笑みながら話し掛けて来る校長先生
「ぇーとーですね……この学校の七不思議の1つとして……格技室女子生徒自殺の噂は本当でしょうか?」
寛太は、少し気を引きながらも真剣な眼差しで校長先生に質問をする。そんな寛太を見て校長先生は少し嫌な顔をして、口を開いた。
「あれは……本当にあると私は聞いたよ、でもその奇妙な噂は私の代より前からあるんだ……だから、本当かどうかも私には分からないよ」
「校長先生の代よりも前からか……とするとこの噂は、50年以上前からあるのか……」
寛太は、小さく独り言を呟く。
そんな、寛太を見て校長先生は卒業生一覧のファイルを本棚の奥底から引っ張り出して机の上に置き
「これでも見て手掛かりを探してくれ斎藤くん」
「あ、はいありがとうございます」
寛太は、校長先生に軽く礼をし校長室から退出した。
俺は、廊下の片隅でそのファイルを開き卒業生を確認する
「第3回卒業生 橋宮 雫 ……」
どこかで、聞いた事のある名前……俺の、お母さん……?
寛太は、ファイルを床に落とし固まる
え……?なんでお母さんがこの学校に……
お母さんは、この学校を卒業したのちお父さんと出会い『シャーロック・雫』になった。それで俺が生まれた?
それから、ファイルを拾い上げ続きを確認すると……第13回卒業生『シャーロック・イオ』その名前が、卒業生一覧の中から出きた
「お姉ちゃん……?イオ……?」
写真を確認する、その名前の女の子は俺が夢で見た、お姉ちゃんを名乗る女の子と瓜二つの顔をしている
「嘘だろ……なんで夢で見たお姉ちゃんは大男に殺されたはず……
よく見ると、その女の子の写真にバツのマークが付けられていた。どうして、バツが……?
「ねえー!寛太ー!」
廊下の奥から大きな雪乃の声を上げながら走ってこちらへ向かって来ている。
「どうした?」
ハアハアと、息を切らして寛太の前で膝に手をつき息を整える雪乃
「あ、あのね!この学校で、自殺した女の子が第13回卒業生の中に居たらしいの」
「え……?どうやって分かったんだ?」
「それが、お父さんに頼んで調べて貰ったの!」
そう、雪乃の父は警察署の署長をしているので、いつでも調べて貰えるのだ……でも、そんな事していいの? 寛太は、心の中で疑問を抱く。
「で、名前は分かったのか?」
「ううん、それが警察署の事件記録には自殺をしたって言うのは残っていたらしいんだけど自殺した子の名前は削除されていたらしいの」
「削除……?そんな事出来るのか……?」
「普通は出来ないのに、何故か削除されていた……」
謎が、またしても一段と深くなった。
「そうか」
暗い顔から、一転し雪乃が明るい顔で寛太の手に持っている物を指さし質問をする
「寛太、手に持っているファイルなに?」
「ん?あ、これか?これは、卒業生の名前と顔写真が載っているファイルだ」
「へえー」
全く興味がなさそうに、明後日の方向を向き返事をする雪乃
「なあ、今日はもう帰らないか?」
寛太が気付くと、外は夜になっていた。
「うん!」
雪乃は、外の暗さにビックリしながら寛太に返事を返し2人で玄関へ向かい歩きだす。
「なあ、結城はどうしたんだ?」
「ああ、結城ねお腹痛いとか言ってどっか消えたわ」
うん!サボりだな!
明日、龍斗をしばいて帰ったら結城をしばこう寛太はそう心に決めた。
靴を履き、雪乃を待つ
「送ってくよ」
「ええ、いいよ!」
雪乃は、遠慮がちな顔で……俺を上目遣いで見つめる。
か、可愛い……が!
「うん!そうか!じゃあな!」
俺は、そう言って玄関のドアを開け外に足を踏み出す
「へ……?」
雪乃は、頬を引きつりながら固まっている。
そんな雪乃を残し俺は校門前の赤くなっている信号の前で待ち、青になって信号を渡り始める。
向こう側から歩いて来た雪乃と同じくらいの背をした黒い帽子をかぶる女の人とすれ違う………
すれ違いざまに寛太その女の人の顔を確認した。
「あの顔、ついさっき見た気が……」
『シャーロック・イオ』
寛太の頭の中で、その名前が浮かび上がる
寛太は、振り返り後ろを見るがその女の人は姿を消していた___________________
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