10 断り
「朝、目を覚まして携帯を見たら一件のメールが来てたの……それでそのメールを見たら『革命を始めるよ皆んな起きて〜』とだけ、書かれていたの……それが、そのメール私だけじゃなく学校の生徒全員にそのメールが送られたらしいの」
学校の生徒全員にメールが……?何故……と言うかどうやって学校の生徒全員にメールを、そんな事何かの裏回線を使わなきゃ無理だ……
え……?寛太の頭の中に1つの単語が浮かび上がる。
『盗聴器』
そうだ!盗聴器だ、学校の生徒全員にメールを送る事が出来たのはその盗聴器に何かが仕込まれて居るからで……そうしたら、前じいさんが言っていた。そこら中に盗聴器があるって事も納得が行く
そう、あの盗聴器は盗聴をする為じゃなく裏回線を使う為の物だったんだ……
でもどこの誰がこんなことを何の為に………寛太が頭を捻りらせていると雪乃の携帯に『ピコン』と音が鳴った
雪乃のが携帯を開き、通知を確認する……
「ねえ、寛太……見て」
顔を青くした雪乃が寛太の顔に携帯を近づける、そのメッセージを見て寛太は…寒気を感じた。
メッセージに書かれていた文字とは、
<寛太久しぶり>
その一文だけ、書かれていた。
どういう意味だ……久しぶり?
「これ、どういう事なんだ?」
「「うう……」」
結城と雪乃も、首を傾げている。
「だよな」
やはり、誰も分からない…俺でも分からない。こんな、謎を……_______
次の日、学校で龍斗が額に汗を掻きながら俺にめり込んで話て来る。
「お、おい!寛太!久しぶりってメールどういう事なんだ?」
やはり、龍斗にもこのメールが届いていたらしい。
「え……?俺にも分からない」
寛太は、素直に本当の事を龍斗に伝え。下を向き俯く……
そんな、寛太を見て龍斗は顔色を変え
「き、きにするな……誰にでも分からない事はあるからな!」
うん……分かってるよ、けどね俺はお前らとは違うんだ……俺は、シャーロック・ホームズの子孫この俺がこんな浅はかな事を説き明かせ無いはずが無い……なのに。
「クッソ!」
寛太は、思いっきり机を拳で叩く、クラスの、全員の目が寛太に移り皆んな驚愕した顔をして居る。
あああ……何だよ。
寛太は、席を立ち静かに教室を出て行き姿を消した。
そんな、寛太の後を雪乃が走って追って行く。その姿は、まるで……恋人の様に。
雪乃は寛太を目指して、階段を登り、登り………屋上へ向かう。
『バン!』と勢いよく、屋上の扉を開け目で寛太を探す。
いた……一人で夏の気持ちよく涼しい風を浴びて居るけど……今の雪乃には、その風がとても暑くて辛く感じた。
「ね、ねえ寛太」
寛太は、明後日の方向を向いて居る。
「なんだ?」
「あ、あのね……」
「うん……」
雪乃の心の中に、2つの気持ちが産まれた。
「「怖い」」
「「好き」」
その2つの気持ちを持ちながら、雪乃は思いを寛太に伝える。
その感情は、雪乃が感じた事の無い感情……
「寛太……私、寛太の事が好き!一人で難解な事件に立ち向かう姿も、皆んなで楽しく話して居る時も、落ち込んで居る時も、怒って居る時も、泣いて居る時も、ふざけて居る時も……全部!全て!の寛太が好き!だから……付き合って下さい!!」
雪乃は言いたい事を、喉から無理矢理出したかの様に息を切らして顔を赤く染めながら恥ずかしいそうに……けど顔はしっかりと俺の目を見て居た真剣な表情をして。
「え……?えええええええええええ!?」
寛太は、驚愕して大声で叫んで屋上であっち行ったりこち行ったりしている。
何で……?学校1の美女が俺を!?何で?何で……?
「お、おい雪乃、俺の顔を思いっきりビンタしてくれ!」
俺が、謎のお願いを雪乃にすると雪乃は顔を赤くしたまま
「やだよ、寛太の事ビンタするなんて……そんなの、寛太が私以外の彼女を作った時に取っておく!」
いや……俺まだ付き合うなんて言っていないぞ、雪乃さん……
「うん……」
「で!付き合ってくれるの?」
雪乃は、緊張しながら寛太に返事を急かす。
よし!寛太は、心に決心し口を開いた。
「悪い!無理だ!」
「へ……?」
雪乃は、未だ信じられない顔をして寛太を見て固まって動かない
「今、俺と雪乃が付き合うと推理部の関係が崩れてしまうと思うんだ俺は……だから今はまだ……」
『ガン!!』もの凄い、勢いで俺の顔に何かが打ち付けられた………___________
「う…ん……?」
ここは、何処だ……?白い天井が見える。
あれ?俺、死んじゃったのかなぁ?そんな、事を頭で考えていると隣から声が聞こえて来た。
「か、寛太!起きたのね!」
雪乃の声だ……ん?でもなんで俺ここに……?記憶が無い、多分……今日の記憶全てが。
「なんで俺はここに?て言うか、ここ何処?天国?」
そんな、真剣な質問をした筈だったのだが、雪乃はお腹を抑えながら大笑いしている。
「ここは、保健室だよ!」
あ……保健室か……うん?なんだか急に眠気……が……
寛太は、また目を閉じ眠りに着いた。
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