9 蘇る記憶
あれ……?おかしいぞ、俺の記憶の中ではお父さんとお母さんは白衣を着た人達に連れて行かれたはずじゃ……
で、でも俺がさっき見た夢の中では俺の記憶と違う物を見た。
そう、お母さんもお父さんもそれに、居ないはずの姉も皆んなあの大男に殺されている、やっぱり話しが噛み合わない……何故だ_______
「はあ……やっぱり分からない」
誰も居ない、暗く肌寒い部屋で寛太は一人でさっき見た夢を考えこんでいた。
「「謎の大男、居るはずの無い姉、殺された親」」
この3つの単語が、俺の頭の中をずっと回っていて、ちっとも前に進まない。
何故……俺の記憶は、変わって居るのか……それと、学校の『革命』この2つは関係して居るのだろうか……?
考えれば、考える程、謎が増えていく
これじゃ、ゴールの無い迷路の様だ。
『ピピピ!』
いつもの様に、目覚まし時計が激しく音を立てて鳴っている。
「あ、朝か……」
寛太が夢の事について考えて居るうちに外は太陽が昇り、小鳥達が元気よく鳴く声が聞こえた。
「あ……今日学校だった」
学校なのを完全に忘れて居た。寛太は、一度も寝ないでみじたくを済ませ一階へ降り
ていく。
「あ!おはようお兄ちゃん!」
一階には、いつも通り元気よく微笑んでいる、結城がいた。
「ああ、おはよう結城」
いつも通りだ全部……全てが……
今日は、パンの焼けるいい匂いがする。そう、結城は俺に『料理をするな!』と言われていこう毎日毎日料理の勉強をして、その成果のおかげか今は常人の人と同じぐらいの料理の腕前になっていた。
勉強をしても、常人……常人
寛太と結城は、朝食を済ませ学校へ向かう二人歩いて__________
寛太が、教室の席に着く頃にはクラスの大半がもう登校しており皆んな仲良く、
喋って、笑ってをしているだが俺は、そんなリア充共には目もくれず机の中に隠し持って居る本を開いて読む。
この本は、この前知り合った山本先輩から借りたライトノベルと言う種類の小説だ。
これが、読んでみるとかなり面白い……もう家には、全巻揃っている。
「寛太〜何読んでんの〜」
いきなり、雪乃が寛太に話し掛けて来た。
俺は、すぐさま本を閉じ滑らかに手をスライドさせ本を机の中にしまう。
「い、いや……た、大した事ない小説を読んでいただけだ」
額に汗をかきながら、全力で誤魔化す寛太……
さすがに、学校1の美女にライトノベルは見せられないよ!
「そう?」
雪乃は、首を傾げながら疑問の顔をして居た。良かった、気付かれてはいない様だ
「そ、それでなんだ?」
「え?いや、別になんも無いけど……」
「そうか」
会話が終わった。
あああ!俺何やってんだよ!会話終わったじゃねーか!
久しぶりに、冷たい空気が流れる。
『キーンコーンカーンコーン』
運良く、学校のチャイムが鳴ってくれたおかげでこの空気は脱出出来た。
「あ、チャイムなちゃった!」
そう言って、急いで自分の席に戻って一時限目の授業の準備をテキパキこなしていく雪乃
「あ……!」
今更だが、俺は大変大事な事に気付いてしまった……
「リュック家に忘れた」
その日、寛太は保健室へ通いなんとかズル早退をする事が出来た。
「ただいま〜」
結城の声が一階の玄関から聞こえて来る。
ズル早退をして早く帰って来た俺は、ずっとこの前買ったラノベを読み時間を潰していた。側から見たら優雅に紅茶を飲みながら小説を読んでいる
イケメンなのだが……
今、俺が読んで居るのはラノベであるもう一度言うラノベである
結城が、『ガチャ』とドアを開けた瞬間俺は、ラノベから推理小説へ持ち替えあたかもずっとこの本読んでましたよ感をだす。
分かるであろう、そこの君自分がラノベを読んで居るのがバレると辛いだろ!それだ!
「お兄ちゃん、何読んでるのー?」
雪乃と似た様な質問をして来る結城
だが、今の俺は朝の俺とは違う……
「ん?推理小説だが……なにか?」
俺の、中二病ぽい発言を聞いた結城が険しい顔で俺の事を引きながら見ている。
あれ……?俺セリフミスった?
「な、何言ってんのお兄ちゃん……」
そう言い残し俺の部屋から音1つ立てずに退出していく結城。
「なんだろう、なんか……辛い」
『ピコン!』
俺が、少し落ち込みながら下を向いて居ると携帯から音が鳴った。
携帯を見ると、送信者は雪乃の様だ。
<ちょと今、結城ちゃんと私の家来れる?>
<すぐいく>
とだけ返信し、部屋を飛び出し結城の腕を無理矢理引っ張って玄関まで連れて行く。
「ととと」
コケそうになりながらも俺の手を離さず後をついて来る結城
数分後、寛太と結城は雪乃の家に着いた。
『ピーンポーン』結城がインターホンを鳴らし、俺と結城は雪乃が出て来るのを待つ……相変わらず、雪乃の家はデカイ寛太の家の4倍は有りそうだ……
「はーい」
家の中から、大きな雪乃の声が聞こえてくる玄関のドアの鍵が音を立てて開き中からとても美人な女の子が出て来た。そう、雪乃だいつもと違う服そうでいつもと違う髪型ポニーテールのフワッとしている感じ……の
「「お邪魔します」」
俺と結城の声が重なる、二人共めちゃくちゃ緊張している。
「どうぞと言われ、リビングのソファーに座った俺……」
俺と一緒に座ろうとした結城を見て結城が腰を下ろす前に雪乃は、
「あ、結城ちゃんは床でいいよねー?」
怖い顔で、結城を睨む。
そんな、雪乃の挑発も完全に無視し勝ち誇った顔で俺の隣に結城は座った。
大きい音で、雪乃は舌打ちをし本題に入った。____________
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