7 分からない…
寛太は、全力で暗い夜道を走る_______ある、1つの家を目指して。
『ピーンポーン』
インターホンを鳴らし、家主が出て来るのを待つ……が、一向に出てこない
『ドン!ドン!ドン!』
家のドアを勢いよくぶっ叩く寛太、すると二階からもの凄い音が聞こえ…階段を急いで降りる足音が凄まじく聞こえて来る。
勢いよく、ドアが開けられ中からおじさんが出てきた。
「何処のどいつだ!こんな夜中にドアを叩いた奴は!」
激怒している、おじさん左手には何故か拳銃を持っている。
「よお、爺さん拳銃なんて持つなよ掴まんぞ」
俺が、軽く挨拶するとおじいさんは顔色を変え優しく
「よくきた、寛太!」
「ああ!」__________
「それで、寛太はこの盗聴器を逆探知しろと……」
「うん、そうだ」
家に入り、じいさんにこの家に来た理由を話した俺は、上品に紅茶を啜る。
このじいさんは、俺が、一人で暮らして居るのを知って以来毎日俺の家に遊びに来てくれた優しい人だ、昔警察の特殊部隊の上の方で働いていたらしく家には、色々な機材が揃っている。
もちろん、逆探知機も………
「わかった、やってみよう」
「頼む」
冷たい空気の中、機材が少しずつ揃っていく。
俺とじいさんも真剣な表情だ。俺は、結衣の部屋にあった盗聴器をじいさんに渡す。
そして、じいさんは逆探知を開始しする、数分経ってじいさんは驚愕した顔で
「お、おい寛太…ちょっと見てくれ…」
そう言って、寛太にこの街全体の地図を見せるじいさん
「お、おい…嘘だろ」
寛太は、目を疑った何故なら盗聴器がそこら中に仕掛けられて居たのだ。
[東通り 3条5丁目 3条6丁目 3条9丁目…………]
まだまだ数え切れない程ある、もちろん俺の家にも…
「ど、どういう事なんじゃ」
じいさんもかなり驚いて居る、手足を震わせながら
「分からない……」
この街で、何が起こって居るんだ…______
朝、学校へ結衣と一緒に登校し教室へ行くとある事で話題が持ちきりになっていた。
寛太が、席に着き教科を机の中に閉まって居ると、龍斗が近寄って来て話し掛けて来る。
「おーい、寛太ー知ってるか?この、アカウント」
龍斗が見せて来る携帯の画面に表示されていたのは、[石橋高校裏アカ]と書かれたアカウントが表示されていた。
寛太は、龍斗の携帯を奪いとり下へスクロールして行く………そこに書かれてあったことは、
『革命…』
やはり、関係していた………か。
他にも色々な情報が表示されていた。
[本帆生徒、生徒にわいせつな行為を]
[教頭…不倫]
[斎藤寛太、第12代シャーロック・ホームズ子孫か!?]
他、色々………だが、何故俺の秘密を…そのアカウントは1日にしてフォロワー1万人を突破し。
有名アカに、なっていた。
『ドン!』思いっきり、机を叩く寛太。
何故バレた…バレ無い様、出来るだけ凡人を演じて来たはず、なのに何故…
「はあ」
寛太の口から溜息が溢れた。そんな、寛太を見て可哀想な表情で俺を見つめている結城
「お、お兄ちゃん。落ち着いて…」
心配したのか、寛太に落ち着きを求める結城
「ああ、分かった」
深く深呼吸をし、落ち着きを取り戻す。
もう一度考えよう、1つ1つのピースを並べて。
[盗聴]
[誘拐]
[謎のアカウント]
[革命]
これらのピースで分かる事は……
「無い」
クッソ!もう一度、机を叩く寛太。
そう言って、寛太は不可解な行動を取り始めた。その行動を見て…
結城が、寛太の後ろから白い綺麗な腕を伸ばして抱きしめる_______
「お兄ちゃん、駄目『それ』を使ったら……記憶が……」
結城の言葉で、『それ』を使おうとしていた記憶が俺の脳内に戻ってきた。
ああ、危ない。もし俺が、『それ』を使っていたら今頃…記憶は
「ありがとう、結城…」
「うん」
結城は、抱きしめたまま俺の耳もとで囁く。暖かく、愛情のこもった声で。
「結城もう寝よう…」
寛太は、落ち着いた声で結城に話しかける
「うん……」
でも、一つだけバレなかった事があるそれは…
結城の……『ピーンポーン』
家のインターホンが鳴った。
「こんな遅くに誰だ?」
俺と結城は、首を傾げながらモニターへ向かうそこに映って居たのは、雪乃だった______
「お邪魔します〜」
小さい声で、挨拶をする雪乃
寛太は、雪乃をリビングのソファーに座らせ結城に飲み物を持って来る様お願いした。
「で、どうした?こんな遅くに…」
引きつった顔で、寛太が質問をする。
「え?い、いや……ただこれを見て…」
そう言って、雪乃が俺に携帯の画面を見せて来た、携帯の画面に表示されていたのは例の裏アカのページでそこに書かれていた物に、雪乃が指で指し示す。
「これ、どう言う事……?」
雪乃のが指し示していた物は、『斎藤寛太第12代シャーロック・ホームズ子孫か!?』と書かれたツイートだった。
「それは…………」
そう言って、冷たい空気の中寛太が過去の自分を語り始めた_________________
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