2 犯罪


「ゆ、誘拐!?」

龍斗の声が部室内に響く。


「ちょ、ちょっと!龍斗!声でかい!」


「あ、ああ悪い悪い」


「本当に誘拐なんですか?それは…」


「はい、私、塾の帰り道で見てしまったんです女子高校生が黒い車に無理矢理連れて込まれる所をそれで警察に言ったんですが証拠が無いのとそもそもそんな事件起きて居ないと言われたんです。」


「そもそも、そんな事件は起きて居ないか……」

なんか、妙に出来過ぎている。これじゃ、完全犯罪だ警察が知らない物を我が報告してもただ流されるだけだ…


「あ、あのこの事件を解決して下さい!私怖くて怖くて夜も眠れないんです!」

そう言って、涙を鮮やかな目から溢す。女の子…


「わかりました、引き受けましょう。」


「本当ですか!ありがとうございます!」


「ですが、この事件はガチの犯罪なので。くれぐれも夜一人で出歩かないで下さい」


「それでは、よろしくお願いします!」


「所で、お名前は?」


「はい!嚮導 秋 です!」


「俺は、斎藤 寛太 よろしく」


「私は、河原 雪乃です」「俺は、本間 龍斗 だ!」「我は、大井 心だ」


「皆さん宜しくお願いします!」

頭を下げ、顔を上げる秋、その顔は不安な顔では無かった、なんか、軽くなったと言う様な顔に感じた。

でもなんで、誘拐犯何も請求してこない……


俺は、取りあえず。事件の起きた駅前の路地裏へ向かった、その通りのお店は一軒以外すべてシャッターを閉じ、静まり返っている、まだ夜じゃないのにかなり暗い。


現場の状況を、メモして一軒だけ開いているお店の前にたち大きく息を吸った。脳に酸素を送り息を整える。


「いらっしゃいませー」

店主は、50歳ぐらいの男性、眉間にしわがあるが、まだ生き生きと働いていた。

「あ、あの…」

事件の話を切り出す


「はい、なんでしょう?」


「一昨日の夜ここの通りで怪しい人などをみませんでしたか?」


「一昨日ねえ、えーーーとーーーああーなんか、女子高校生が二人この前を通ったよ」


「そ、それは、何時頃でしたか?」


「えーーとーーねえーー7時位かな?」


「分かりました、ご協力ありがとうございました」


そういって、俺はしっかりとメモに書き残しお店を後にする。

夜7時にこんな路地裏を女子高校生が二人……どうしてその二人は……謎が深まるばかりで全く事件の真相をつかめない……

携帯を、開き雪乃にラインを送る。

(明日、俺の家に12時集合。)


(了解)


1秒もしないで既読が付き返信が返って来た。ーーーーーーー。




『ピピピ』、目覚まし時計が鳴る、俺は素早くスイッチを押し二度寝をする。



『ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!……………』

ん?なんだ……?何か騒がしいので目が覚める、携帯を見ると、『50件の通知があります』


「はあ!?誰だ!こんな送ってくる奴は!新手のイジメか!?」

ラインを開き、通知を見る。送信者は……雪乃!?

あ、今何時だ?携帯の時計には、1時00分と記されていた。

あ…………

急いで、寛太は雪乃に返信をする。

(ごめん)


(死ね!)

ああ、これはガチで怒ってる。


「すいません…」

玄関を、急いで開け流れるように土下座をする寛太。


「まあ、いいけど…でなんでインターホン何回も押してるのに気ずかなかったの?」

ええ、と…「二度寝して寝坊したなんて口が裂けても言えない」

玄関の床に頭を擦りつけながら、雪乃に嘘をつく。

「お風呂に入っておりました!!」


「ふーーん」

信じていない、顔で寛太を睨む雪乃…


「あ、どうぞどうぞ」

そう言い雪乃を、家へご案内する


リビングのソファーに座りくつろぐ雪乃

「ところで、寛太って一人暮らしだったわね」


「ああ。」

そう、両親は共働きで海外に行ってるため、俺が親に会うのは年に1,2回程度だ…


「偉いわね。それで、本題は?」

あれ…まだ怒ってる?雪乃さん…?


「忘れていた、じゃ話すぞ」

寛太の、目つきがさっきと変わる。それは、探偵そのものに思えた。


「うん…」____________




「まず、事件が起きたのは、一昨日午後7時頃駅前の路地裏だ。で昨日俺が現場へ行きつかんだ情報はその日の夜7時頃に、女子高校生二人がその路地裏を歩いていたと言う事、だけだ。」


「路地裏に、女子高校生二人…それが目撃されたのが、秋ちゃんが見た時刻と一致…か…うーーーん」

さすがに、学年トップの成績の雪乃でも分からないようだ。


路地裏、女子高校生二人、目撃した時刻がどちらとも7時、

まだだ…まだ、ピースが足りない。


「あと一つあれば……」







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