学園推理は手短に。ーAcademy Reasoningー

瑠奈

1 始まりの依頼

『キーンコーンカーンコーンー………』

学校の鐘が鳴る。夏の、日差しを浴びゆったりとした……昼休み……

そんな、太陽の下でグッスリと……


『ドスッ!』


「痛っああああ」

硬い何かで、叩かれた。多分本だろう、


「いつまで、寝てんだよ〜寛太」


「え?」


「もう、昼休みだぞ!行かなくていいのか?」

ニヤニヤした顔で、俺を見てくる、龍斗


「あーいいよ、面倒くさいから……」

そう言って、机に顔を埋め寝る体制を取る寛太…


『ドスッ!!』


「痛ってえええええ!」

さっきの、3倍はある強さでまた頭を本で叩かれる。


「面倒くさいって!なによ!」


「あーあ、どうします〜寛太さんーお怒りですぞ〜姫が」

携帯をいじりながら、俺を煽ってくる龍斗


「姫って呼ぶな!龍斗!」

綺麗で、穏やかな黒髮を揺らし。大きくパッチリした瞳、整って小さい顔、水分を沢山含んでそうな唇、

そんな、美少女が頬を引きながら怖い顔をして俺を見ている。


「なんだー雪乃?」


「なんだじゃないよ!なんだじゃ!一緒に昼お弁当食べるって……昨日約束した…じゃん」

若干顔を赤くしながら、呟く雪乃、


うん、普通に可愛い。けどさ、(周りの視線が冷たい!)そもそも、学校一の美女が俺見たいな平凡高校生と話している事自体がおかしいのだ。それに、一緒にご飯なんて事になったら……間違いなく、しばかれるな


「ああ、ごめんごめん忘れたよ!」


「もう、明日は食べようね!」

そんな事を言いながら俺の机に自分の弁当を広げる雪乃さん、ええ、辞めて〜お願いいたしやす。マジで勘弁して下さい。

そんな、俺の思いも届かず。幸せそうな顔をして弁当を食べる雪乃…


(もういいや、どうにでもなれ!!)


「お、おう!明日はな!ははははは…………」


「寛太、本当に食うのか……?」

ヒソヒソ声で俺に話し掛けてくる龍斗

「ああ…もう流石に無理だろ…10回だぞ断ったの」


「そうか、生きて明後日学校にお前が来る事を祈ってるよ…」


「ああ、頼む」


「ねねー何話してんおー?」

口に食べ物を含んで喋ってる、雪乃顔は良いんだけどね…………


「口に入ってる時に話すな〜」

優しく、注意してあげる俺

モグモグして、居るハムスターの様だ


「ところで、部活の部長誰になんの?」

そうだ、俺らの所属して居る部活、推理部、の部長がまだ決まっていないのだ、そろそろ決めないと色々とマズイ時期にまで来ていた。


「ああーまだ決めてなかったなーお前やれば?」


「ええー私?どうしよー」

悩むという事は、少しやりたがって居るという証拠!ここは、もうひと押しした方が良さそうだな。


「いや!もう雪乃しかいない!」


「ええ!そんなに寛太が言うならやってあげなくなくもないかもしれないかな〜」

いや!おだてやす!この人…


『おおお!』

俺と龍斗が声を上げた、2人共手を叩いて拍手をする。


「でも、特に活動してないよね…私達…」

そう、推理部は誰かから依頼が無いと活動が出来ないのだ。だから、大抵は世間話しをして解散がいつもの流れだった。


「そうだな…」


『キーンコーンカーンコーン…』

予鈴が鳴る。


「あ!マズイ!」

雪乃は、弁当箱に残っている。お米を口にかきこんで、弁当箱を布で包んでサッサと自分の席へ行ってしまった。本当にあの人時間にだけは厳しいよな……ーーーーーーーーー



6時限目が終わり、部室へ向かう廊下を龍斗と、くっちゃべりながら歩いていた。

部室の扉を開けると、一人の女性が本を読見ながら椅子に座っている。

「あ、心先輩もう来てたんですね」


「うん…」


この方も中々の美女で白く銀色で輝いている髪の毛、澄んだ青い目、色白の肌、

学校では、告白が断たなく連日の様に告白されて居るんだそう、それに加えてプロの将棋棋士で百戦無敗と称されるほどの強さ…そんな、有名人がうちの学校で推理部活をやっている。あと、話し方が少し変だ。


「雪乃はまだなんですか?」


「まだ来ておらぬ」


「そうでござるか!」

龍斗が、変な返しをし、心先輩にボコられているのを見ている俺…


「いてて、か、寛太助けてえええ!ああ!」


「貴様、仲間なぞ呼んでも無駄よ、寛太は助けに来ないのだからなぁ!」


「や、やめてええええ」

龍斗の叫び声が、部室に響く。


「はぁ〜」

思わず、寛太の口から溜め息が溢れた


『コンコン』ドアがノックされる。

まさか、推理部に依頼者が………?


「お疲れー皆んな!」


「なんだ、雪乃か……」


「なんだとは何よ!!」


そう、怒りつつ俺の隣に座る。

そんな、流れをいつも俺達は毎回毎回やっているのだ。


コンコン、はっ!次こそは…

「あ、あの〜失礼します。」

そう言いながら、賢待って部室に入ってきた女の子見た事の無い顔だ…多分一年生であろう。




「どうぞ」と言って紅茶をテーブルの上に並べる、雪乃。


「貴様!なんて物を飲ませる気だ!我は、棋士であるぞ!外国などの飲み物は飲まぬ!」

そんな、事を大声で抜かしている馬鹿……(もう先輩やめて…せっかく依頼者が来たのに…)


『コホン』と咳をし話しを戻す。


「と、所でどんな依頼内容で?」


「は、はい」

そう言って、俯いたまま語り始めた。女の子…


事件の発端を……







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