すれ違い

第114話 すれ違い -01

    ◆



 ――その日の夜のことだった。


「……」

「……」


 木藤家の食卓は、変な雰囲気に包まれていた。


 黙々と食事をする拓斗。

 そんな彼をじっと見ながら、箸が進まない遥。

 それをハラハラとした様子で見守る、拓斗の母親の鈴音。


 一体、どうしてこんなことになってしまったのだろうか?


 それは拓斗と遥がそれぞれ、セバスチャンとフランシスカに告げられた、パートナーに対しての指摘が原因であった。

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