読んでいて胸が痛くなる一本でした。
今ツイッターで流行中のストロングゼロ文学の雫を集めてここに結晶化させたような作品です。
読んでいて辛くなるし、救いは無いのかと叫びたくなるし、もっと多くの人に読んでもらいたい胸の痛みを伝えたいという感覚を味わいました。
この時代の片隅で、こういう哀しみに追われながら生きている人は数多く居る訳で、この物語は決して特別なことではないのだと、物語の形で多くの人に伝えて何かを考えてもらいたいです。
それで何かが変わるとすれば、それこそが物語の力ですから。
何が悪いと言われれば、彼は何も悪くない。
生まれた結晶は美しいけど、触れたら棘が刺さりそうな、鋭い筆致です。