第四節:秋。
乾いた風が
10月も
二年前の秋。苦い、というには中途半端かもしれないが、彼女と別れた。かなり
***
「
「んー、どした?」
「私、悠大と別れたい」
正直、ほっとした。俺から言い出す勇気なんて、とてもじゃないけどなかった。
「いいよ。別れよ」
「………」
「
「――わかった。明日から、友達。違うね、知り合いだね」
千秋の声が少し震えていたことに、俺はまったく気づかなかった。
***
帰り道、彼女が静かに泣いていたのを悠大はまだ知らない。
彼女が、俺の気持ちを確認するために聞いたなんて知る
嫌われていたかった。
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