第3話:紅茶の値段
それから一週間後、閉店後のお店に行った。
2階の部屋に通されてソファーに座るよに指示される。
店員「何か飲みましょう。」
サクラ「あ・・・いえ」
店員「私が飲みたいので・・・付き合ってください、紅茶でいいですか?」サクラ「あ、はい・・・アールグレイをお願いしてもしいですか?」
店員「はい、ミルクとお砂糖はどうしますか?」
サクラ「・・・ストレートがいいです・・・」
店員「はい」
店員「では、少しお話をしましょう」
紅茶を飲みながらそう話出しました
店員「自己紹介がまだでしたね、私はカナタといいます。下のお名前だけ教えていただけますか?」
サクラ「・・・さくらです。」
カナタ「ありがとう、一応、話をしておくと私は心理カウンセラーをやっていたので医者としての基本的なルールは把握しているのでご安心ください。」
サクラ「・・・はい。・・・やっていた・・・」
カナタ「はい。・・・私には向かない仕事だったようです。」
サクラ「・・・?」
カナタ「たぶん、サクラさんが一番気にされている所だとおもうのですが、売った記憶がどうなるのか・・・」
サクラ(うなずく)カナタ「記憶の操作ができるんですよ、基本的に消すことが多いのですが・・・」
サクラ「本当ですか?」
カナタ「・・・はい。信じなくてもかまいませんが・・・」
サクラ「あ、いえ。信じます。・・・買った記憶はどうなるんですか?」
カナタ「記憶は・・・悪魔が買いに来ます。」
サクラ「・・・え?」
カナタ「冗談ですよ」
サクラ「・・・」
カナタ「ごめんなさい、・・・あなたの売りたい記憶の話を聞いてもいいですか?」
サクラ「・・・はい」
カナタ「では、肩の力を抜いて背中を、体重をソファーに預けて、目を閉じてください」
私の母の性格に問題があり、それに耐えながら育ってきたことを初めて人に話した。自然と涙が流れていた。
話ながら思い出したことがあった。
母が好きだった紅茶(ダージリン)の匂いが記憶に残っているらしく、鼻先に近づけると母を思い出してつらくなること。
話ながら自分で納得して泣いた。気が済むまで話して泣いた後
カナタ「そうですか・・・わかりました、では、その記憶の値段はいくらでしょうか?」
サクラ「・・・値段・・・ですか?」
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