第2話:紅茶の香
それから1時間くらい会話をして
スミレ「ああ、もうこんな時間か・・・そろそろ行こうか?」
サクラ「そだね」
席を立って2人でレジにむかう。
サクラ「・・・これなんだけどさ」と指をさす
スミレ「・・・え?このカードお店の・・・だよね」
サクラ「うん?」
スミレがカードを手に取る
スミレ「お店の名前と住所、電話番号と地図・・・普通じゃない?」
サクラ(あれ?・・・みえてないのかな)
店員「どうぞ、お持ちください」
スミレ「ありがとう、ごちそうさま」
サクラ「・・・ごちそうさま」
カードを1枚とりながら
店員「また、お越しください」
「またお越しください」のありきたりの店員の言葉の響きではない気がしたのは・・・やはり気のせいだろうか・・・
彼女が手に取ったカードにも私のカードにも確かに「あなたの「記憶」買います」とかいてある・・・
私の目がおかしいのだろうか・・・どうしても気になってしまって閉店時間ごろ電話をかけた。
店員「はい、レーテです・・・」この間はなんだろう・・・
サクラ「・・・あの・・・」
店員「はい」たぶん、わかっているのだろう・・・
サクラ「おかしなことを伺うのですが・・・」
店員「はい、「記憶」のことですか」
声が優しい・・・
サクラ「・・・はい」
店員「見えてしまったのですね・・・今、お店を閉めますので・・・時間をおいて電話をこちらからかけるか、後日閉店後のお店に来ていただきたいのですが・・・」
サクラ「・・・え?」(見えてしまった?)電話番号を教えるのは気が引けてしまい
サクラ「では、後日伺いたいのですが・・・」
店員「わかりました、でわ、いらっしゃられる時に事前にお電話を頂きたいのですが・・・よろしいでしょうか?」
サクラ「・・・はい」
電話はそこで終わりにしました。
記憶を買う・・・思い出話に対してお金を払うのだろうか?それならばただの恥さらしもいいところだ・・・・・・
その記憶は私の中から消えるのだろうか・・・
そんなおかしな期待をしてしまう私は・・・
やはり病んでいるらしい・・・
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