冬道の我慢の限界

@camus

冬道!腹痛のその先!!

 冬が始まり、寒さが増し、雪も積もっている。あと5分もしないうちに17:00になる事を確認した俺はイヤホンを耳に付けて音楽を聞きながら学校に向かって歩き出した。いつもと変わらぬ風景を見て歩き、登校ルートの最後のコンビニを過ぎて俺は、「もうそろ学校か・・・」と呟いた。


 学校とコンビニを繋ぐ道の中間で事件は起きた。強烈な腹痛が俺を襲う。「トイレに行きたい。」俺はその一身でお腹と相談して歩く、止まるを繰り返しながら学校へ向かった。コンビニに行けば遅刻確定だったので学校の教室に荷物を置いて楽になるまでのイメージトレーニングとペースは完璧だった。そしてなんとか学校の玄関に入ることに成功したのだが、そこで事件は起きたのだ。外の寒さに慣れた体がいきなり温かい室内に入ったらどうなるかを俺は思い知った、靴を取ろうとした瞬間屁とは明らかに違う音と、お尻に熱く赤子の頃に体験していた感覚が広がる。一瞬の静寂が自分の世界を包み込む。そう、俺は漏らしてしまったのだ。もう一度言う。自分でも想像していなかった量の糞を出してしまったのだ。不幸中の幸いと言えるかは怪しいが糞は俺のズボンが証拠を残さぬ様にキャッチしてくれていた事に気づき、俺は進む事をやめて、新たなゴール「家」に向かって歩き出す。


 帰り道は裏の人通りが少ない場所を選び歩いていると、また奴が来た。今度こそ耐えてやるの一心でお尻を引き締める。だが、俺のお腹はもうダメだったらしく液状と固形の2つの糞がいつもは見ることの出来ない世界を見にやってきた。俺は堪えた。だが脳は止めたい、体は出してますの状態が無惨にも起こってしまったのだ。そして自分が涙をしている事に気づき固形物がズボンの袖からこんばんわをしたのでカバンに袋があったのを思い出し、即回収した。犬の糞で話題になる昨今、人として、何よりも犬の糞とは明らかに違うサイズだった為に人間としてのプライドが放置を許さなかったのだ。回収中に下校途中の男子学生が通り、「何してるんですか?」と聞かれたので、「最近、道端に犬の糞多いですよね~!自分も犬飼ってるんですけど見てて痛ましいので拾ってちゃんと処理するんです」と言う、犬を飼っていると言う大嘘と挨拶をして何とか取り繕ってその場を離れた。


 家に無事帰宅したが、学校から電話があったらしく、母は心配してくれた。

その後俺はズボンと下着を脱いで目を疑った、内股とふくらはぎが全面茶色なのである。母の協力を得ながら必死に20分掛けて汚れを落とし、銭湯に向かった。疲れていたのかそこからは湯に浸かり、気持ちが落ち着き、家に帰り寝てしまった。



 これが俺の体験したみっともない話である。これは誰にでも起こり得る惨劇なのだ、対策のしようなど無い、便意はいつ人を襲うか分からない。せめて出来る事は荷物に着替えを入れて、定期的に出すことくらいだと思う。この時期は気温差などでお腹も壊れやすい、だから外に出るときは充分に暖かい格好をして出かけてください。そしてもし俺と同じ事になったら誰かに話しをして笑い話に変えて心のケアも忘れないで下さい。

 

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