出会いの記憶-②
キーンコーンカーンコーン、という
無機質なチャイムの音がする。
予鈴がなったのだと気づいた。
「そろそろ、学校行こうか。白浜さん。」
「ねえ。何で友理って呼んでくれないの?」
「善処します」
「何それぇ。面白ーい。」
「あいどーも。あざまっす。」
少し適当に返しながらやってきたのは
僕の小学校の職員室。
「職員室ってやっぱ緊張するよね。」
「そうかなぁ。僕にはそう感じないけどなぁ。」
僕は名前を名乗り要件だけを説明し
ここからの行動を彼女に任せてみることにした。
「君が東京からたった一人で来た転校生だね。ようこそ。待ってたよ。」
となんだか意味深長な物言いで担任が言った
「はい。白浜友理です。よろしくお願いします。」
「俺の名前は佐野結心。よろしくね。白浜さん。」
「はい。お願いします。」
下の名前で呼ぶことに僕のときはこだわってたくせにこの男の前ではそのこだわりを見せないのなと、僕は思った。
その日は佐野の提案で彼女の歓迎会が行われた。そしてその帰り道。僕と白浜は
雪が止んだあとの凍った道を歩いていた
すると僕は家に着くと自分の家の隣に
『白浜』という表札が入っていたのに
気づいた。祖父母に挨拶しに来たときに
その夫婦は子どもを連れていてその子供は
僕くらいの子だった。
僕は彼女に出会ってようやく手に入れた世界
を納めようとしているとわかった
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