トラベルウィーク!
第10話 山にはやっぱりあれがいるのです!
しばらくして二人が水着を何着かもって更衣室にやって来る
「タクトくん!おまたせしてすいません」
「もっとゆっくり選んでもいいよ?」
「いえ、この中から選びますのであと少しだけ待っていてください」
「あぁ、でも前みたいに試着室に連れ込むのはなしだからな?」
「わかってますよぉ♪」
スグは行ってきますと言って中に入っていった
ミクも隣の試着室に入っていく
床より少し高いところまでしかないカーテンの隙間から二人のスカートが落ちているのが見える
やはりNPCといえども男子は男子
この薄っぺらいカーテンを挟んだ向こう側でどのような後継が広がっているのか
それを想像してしまう
(いやいや、二人は仲間だ、変な事考えるな!俺!)
タクトは自分の頬をペシっと叩いて自分の精神状態の照準を『興奮気味』から『正気』に戻させる
(よし、これでだいじょう・・・シャッ「どうですかぁ?」ブッ!
「ちょ、スグ!?なんだよ!?」
「何って水着ですよ?」
「いや、それは分かってるけど・・・」
「どうですか?」
「どうって・・・可愛いし去年より少しは大人っぽくなったんじゃないか?」
「本当ですか!?嬉しいです!じゃあ次は・・・」
「次も見るのかよ!」
「当たり前です!タクトくんに見せるために可愛いの着るんですから!」
「うれしいよ?でも、ここでいう事じゃないとおもう!すっごく恥ずかしいから!」
「じゃあ、待っていてくださいね♪」
「俺の意見は受け流しか・・・」
(誰にも掴んでもらえなかった流しそうめんってこんな気持ちなのか?)
シャー「た、タクトくん?」
「ミク?どうした?」
左側の試着室からミクが顔だけをのぞかせてこっちを見ている
「タクトくん、ちょっと見てくれる?」
「あぁ、スグのも見たからな」
「じゃあ!「ちょっと待ってくれ!」うん、いいよ?」
「心の準備が・・・」
タクトは深呼吸を3回して息を整える
「よし、いいぞ!」
「笑わないでね・・・」シャッ
開いたカーテンの向こうからは水色に花柄
ナイスバディなミクのすべてを活かしたナイスな水着が現れる
タクトの口角が少し緩んでしまう
「あ!笑わないでって言ったのに!」
「いや、これはちがう!面白いとかじゃなくて、その・・・男性の本能が喜んでいるんだ!」
「ほんと?タクトくんは私を見て嬉しいの?楽しいの?」
「あぁ、楽しい!ずっと見ていたいくらいだ、俺の全MBが歓声を上げている」
「うふふ、ありがとうございます、じゃあ、次は・・・」
「楽しみにしてるぜ!」
ミクがカーテンの向こうに消えたあとタクトは椅子に座り込んで
(つかれた、なんにもしてないはずだが疲れた、これ、耐久度下がってんじゃね?少し心を落ち着かせて・・・)
だが、安堵の時間を世界はあっさりとかっさらっていく
シャッ「タクトくん!エントリーナンバー3ですよ!」
いつからここは水着ファッションショーになったんだ
カーテンの向こうから現れたのはピンクのフリフリの付いた水着を着たスグ
クルッと一回転して見せればフリフリひらりと可愛らしく揺れる
スグの外見と合わせれば満点だ
愛らしい顔に可愛い水着
「これだ!」
「これですか?」
「あぁ、それだ!」
「分かりました!」シャッ
何がわかったのかはわからないがスグもスグなりに理解してくれたのだろう
シャッ「え、エントリーナンバー4番ミクです」
「乗らんでいいぞ」
「特技は料理と歌です、
では1曲、ミク・ワン・ツーみーつー」
「歌わんでいい!いつからここはスタジオになったんだよ!」
「タクトくんはわたしの歌を聞きたくないんですか?」
「いや、聞きたいけど・・・ここでは迷惑だからさ、宿屋でたっぷり聞いてやるから、な?」
「わかりました!じゃあ、これはどうですか?」
「じゃあってついでみたいに・・・こっちが主目的だからな?」
「わかってますよ」
「まあ、いいか、うーん」
タクトはミクの足先から頭までをじっくりと見る
今度はさっきより布少なめか・・・
「いや、さっきの方がいいな、ミクは清楚な感じだから布は多いほうがいいと思う・・・」
ミクは何やら考えたようで
「・・・は!わかりました!」シャッ
またカーテンの向こうに消えた
シャッ「今度のはどうですか?」
「うーん、今回は・・・」
すこし大人すぎるか・・・
「スグ?大人はまだ先だ」
「ムゥ〜、スグだってもうすぐ大人です!背伸びすれば届くくらいまでは成長してます!」
「いや、まぁ、そうなんだろうけど背伸びすればするほど虚しくなる部分が成長してないんだよ・・・な?だから『もう、タクトくんのげそぽんち!』」
スグはシャッと薄いバリアを張ってしまう
(少し言いすぎたか?でも、スグのためだ・・・そう思えば痛くない・・・こんな傷なんて)
しばらく静かな時間が流れる
すると突然両方のカーテンが同時に開く
「タクトくん、これならどうですか?」
「タクトくん!これなら文句はないですよね?」
カーテンの向こうから現れた二人が来ていたもの
それはきっと誰でも見たことのあるもの
それはきっと夢と呼べるもの
それはきっとマニアな方には好物とも呼べるもの
そう!スク水だ
「二人とも、どうしたの?」
「タクトくんの意見を参考にしたらこの結論に至りました!」
「タクトくんが言ってくれたことをたどっていったら自然とこれに「ならないよ!」・・・そうかな?」
「だって、布が少ないのはダメで清楚って言ったらスク水じゃないんですか?」
「たしかに当てはまるけどその格好は逆に清楚じゃない!学校のプールならまだしも海でするものじゃない!」
「タクトくんが大人っぽいのはダメって言ったからですよ?」
「いや、言ったけど言ってない!そうなるようには言ってないよ?ってかなんか俺が着せたみたいになってるけど違うよね?てかなんでも置いてるなぁ、この店!」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「・・・もう、なんでもいいです」
正直疲れました
_________________________________________
お買い上げありがとうございました!
「買っちゃったです!」
「買っちゃいました・・・」
結局二人はそのままスク水を購入
まぁ、スグはあまり心配していない
だって中学生にも見えるから
で、心配なのはミクのこと
(絶対、コスプレイヤーだと思われるよな)
そんな心配もよそにお二人方はキャンプの話をしていらっしゃる
次はキャンプ用品を買いに行かなくてはならない
店は徒歩5分ほど歩いた場所
人通りは少し少ないくらい
店の中は明るくて広くはないけど品揃えは多そうだ
「いらっしゃいませ!」
店員さんの声が店内に響く
「ん?・・・あ!ジュールさん!」
「お!これはスグさんと連れの方・・・」
「そういえばまだ自己紹介してなかったな、俺はタクトだ」
「ミクです・・・」
ミクは軽く会釈をする
「改めてジュールだ!よろしくな!」
「ところでジュールはここで働いてるのか?」
「あぁ、そうだ!」
「じゃあ、商品の説明とか聞いても大丈夫か?」
「あぁ!まかせとけ!」
「じゃあ、三人が入れるサイズの丈夫なやつを頼む」
「それなら・・・これとこれだな!」
ジュールは二つのテントを見せる
「こっちはかなり丈夫でバルバルコブラが乗っても壊れないらしい、立てるのも簡単でボタン一つで完成だ」
「なかなかいいな」
「んでこっちは最新のバーチャルテントだ
風は通さない、だが風圧を受けない、中に入っている人もろとも見えなくなる昨日も搭載してある、少々値が張るんだが時計みたいに腕に巻いて運べるんだ、どっちがいい」
「んー、どちらもいいんだが・・・」
後者の方が性能は上だ
だが値段が・・・
「私はバーチャルがいいです!かっこいいです!」
「スグはこっちか・・・ミクは?」
「わたしもバーチャルがいい・・・」
「そうか、じゃあ、バーチャルの方を頼む」
値段は信じられないほどの値段で財産の半分を失った
「BBQのグリル買う金、あるか?」
ミクは首を横に振る
どうしよう・・・
「あ、言い忘れていたんだが・・・そのテント、BBQ機能付きだ!」
買ってよかった!ありがとう!
本気でそう思える今に感謝!
三人は店を出てあとは食材を買うだけだと大きめの野菜屋に向かう
必要なものをさっと買えばさっと帰れたはずなのだが、スグがピーマンは嫌だ嫌だと駄々をこねたりミクがあれも見たい!これも見たい!と魅力的な電化製品につられたりなどして帰ったのは日が沈んでから・・・
「いい買い物をしました!」
「ピーマンは敵ですぅ!」
そんな二人もお風呂でさっぱりしたらぐっすりだ
二人が寝たのを見届けてタクトも風呂に入り、歯磨きをして寝る
電気を消しておやすみなさい・・・
何かを忘れてる気がする・・・
あっ!晩御飯食べてない!けど眠たくて起きれない・・・
タクトは睡眠欲のままに眠りに落ちた
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