小説

非リア充兼復讐の鬼

序盤

超裕福だが冷たい。数十年前、そんな家庭に生まれた悲運の美青年、レオネル・ミラーは長身のタチ。独身で少し前、不慮の事故で両親を亡くしたレオネルは莫大な遺産を相続し大富豪になった天涯孤独の一匹狼。








…コイツは尻軽じゃないといいな…。

美青年がいる室内。そこで付き合っている男の寝顔を眺めながら考え事をしているレオネルはそう思った。

―――男感のある美貌。ブルーダイヤのような瞳。黄金色の髪の毛。大富豪になった後、純度100%の愛を与えてくれそうな男探しをし始めたレオネルは尻軽男達に浮気をされる…という憂き目に合っていた為そう思った。

その時レオネルと付き合っていた男は尻軽ではない男。

見た目はイイが性悪のその男は後日、レオネルのカネを盗もうとしレオネルにその本性を知られた。








高そうな家具やインテリアがある室内。

そこでレオネルは恋人が自分の金目当ての偽善者だと言う事に気付きいた。

「…お前も俺を裏切るのかっっ」

レオネルは激高しレオネルの物を盗もうとしていた男の胸倉を掴んだ。

「ヒッ」

殴られると思ったオトコがその目を閉じた刹那、レオネルが男の胸倉を離した。

「出ていけ」レオネルにそう言われた男は逃げるようにその場を後にしレオネルは絶望した。

カネ目当ての偽善者と尻軽男しかいない世界でなんか生きたくない…。

それから死に場所を求め始めて歩き始めたレオネルはほどなくしてイルミネーションが施されている街路樹等がある街に足を踏み入れた。

寒風が時折頬を触る。そこでレオネルは刹那、曲がり角から飛び出して来た美青年に衝突した。

「すっすみません」美青年はレオネルにそう言うとぶつかった時に落とした本を拾い始めた。

―――男感のある美貌。漆器の様な瞳と黒髪の持ち主で中肉中背の美青年は大人の事情で走っていた編集者。BL本好きの腐男子でもあるその美青年はレオネルには目もくれず落とした本を拾っている。

その時、無表情で美青年が落とした本を一瞥したレオネルがその目を見開いた。

「…美しい…」耽美…という言葉を絵にかいたような表紙。BL小説…というタイトルのその本はゴリゴリのBL本でBL本の存在を知らなかったレオネルを驚かせると同時に感涙させた。

「…あった…」レオネルがそう言いBL本に手を伸ばし始めた。

ほどなくしてレオネルに視線を移した美青年がその目を見開いた。

その時、レオネルの頬を濡らしている涙やレオネルが手にし見たいる自分が落としたBL本を目にした美青年がその顔を綻ばせた。

この人オレと同じ匂いがする。

美青年は「それ良かったらどうぞ」と言いレオネルにBL本を譲った。

それから別れた二人は数ヵ月後、再会した。









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