第4話 採用氷河期

 現在、有効求人倍率が過去最高水準にある。実感がないと言う人がいるが、少なくとも私の会社では倍率の高さをあまりよろしくない意味で実感させられている。


 私の会社は給与と休日に関しては残念ながら平均を下回る水準にある。それでも余程のことが無い限りは潰れないし、残業も少なく福利厚生もそこそこ充実しているのでトータルで見るとブラック企業と誹りを受けるような会社では無いと自負している。


 しかし実際に求人を出すと同業種で大手の給与の良いところに流れていくし、新卒採用で高校の就職担当教諭にお願いしてもやはり優秀な生徒は大手に送って、言葉はかなり悪いが「余りもの」をこちらに送るといった具合になっている。


 致命的なのが、会社の立地がド田舎で車を使えなければ通勤できない点だ。近隣に借り上げできるアパートもほとんどなく、飲食店も少ない。だからみんなこぞって便利な都市圏の求人に群がる。


 今の時代、働き方改革がうるさく言われているから求人広告を出して残業の少なさと福利厚生をアピールすればもっと人は集まると思うのだが、ハローワークでの求人や高校新卒採用に固執しているから改善に期待できないかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る