第42話

「はーい、そうしてね」


車は走り出した。



日付が変わっても、上条はパソコンとにらめっこをしていた。


思いつくワードを片っ端から検索にかけて。


しかし条件に合うような巫女の存在は、確認することが出来ないでいた。


――ほんとにそんな巫女、いるのかな?


桜井のほうは、どうなっただろう。


そんなことを考えていると、急に木本のことが気になってきた。


――桜井はああ言ったが、ちょっと様子を見てみるか。


上条は下宿を出た。



木本の下宿はそう遠くない。


ほどなくして着いた。


ニ三号室。


そこが木本の部屋だ。


玄関の前に立ち、夜も遅いので軽くドアを叩いた。


「おい、木本」


返事はなかった。


もう一度ドアを叩き、言った。


「おい、木本。大丈夫か?」


上条はドアに耳を当てた。

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