第41話
「ええ、これからやることがありますから」
「そう、残念ね」
「本とノートは元に戻しておきますから」
「いいわ。私がやっとくわ。今日はもう、それくらいしか仕事がないから」
「一日の仕事が、本とノートをすぐそこにある倉庫に返すだけなんて、いいですね。代わってあげたいです」
上条は思わずそう言いかけたが、すんでのところで止めた。
「そうですか。ありがとうございます」
「じゃあ、また来てね。お友達も一緒にね」
「はい、わかりました」
「お邪魔しました」
史料館を出て車に乗り込むと、桜井が言った。
「それでは、今日はこの後ずっと、巫女探しをやってね」
「どうやって?」
「そんなもん、こんな時はネットに決まっているでしょう。大学に行って、そこ等へんのやつを捕まえて聞いてみて、条件ぴったりおつりなしの巫女を知っているやつなんて、いると思う?」
「いないな」
「それじゃあ下宿に帰ったら、寝食惜しんで好きなだけネットサーフィンしてね」
「それで見つかるかなあ」
「それはやってみないと判らないよ。見つからないかもしれないからやらない、と言うなら、あえて止めはしないけど」
「わかったよ。やるよ。やればいいんでしょ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます