第278話歓迎試合

「これからチームに分かれ、試合を行うよ」


「3対3に分かれるんだな」


エミリーに返しながら、設置してあるバレーのネットを見上げる。


「違うよ。アリシアには審判をやってもらうから、2対3になる」


「俺がいるほうが3か?」


流石に来たばかりの俺を、不利な立場にしないのが普通だろう。


「愛し合う2人の間に誰かが入ったら、逆に邪魔になる。私とカズちゃんで組むに決まってるさ」


でかい胸を張って、金髪の魔女は堂々と答えた。


「でも、俺は素人だし……」


本当は色々ツッコミたい。


しかし、会話がかみ合わないことが想像できたので、こう言うことしかできなかった。


「私が2人分活躍するさ。忘れてるかもしれないけど、米軍最強の魔女なんだよ」


huhuhuと満面の笑顔で笑いだすエミリー。


中身はあれだけど、本当にかわいいな。



「というわけで、7点を獲得したらワンゲーム獲得です。3ゲームやって、多く獲得したほうが勝者」


アリシアさんからゲームの説明を聞きながら、俺は敵コートを見つめた。


「魔法の使用はありです。しかし魔法でボールを操ったり、魔法で直接攻撃するのは禁止です。破ったら退場していただきますね」


「分かった」


俺は魔法を自分の体くらいにしかかけれない。


まったく問題ないルールである。


「見て、カズちゃん。魔法で空気を固めて、おっぱいを支えてるのさ。これでジャンプしても揺れないよ」


見ると、エミリーがぴょんぴょん跳ねていた。


「無駄な魔法を使うな」


ルールに違反してないから、ペナルティをうけはしないはずだ。


しかし、せっかくの魔法が意味もなく使われている。


「では、私のサーブから始めよう。いくよ」


エミリーはボールを投げ、そのまま飛び跳ねた。


いつも訓練してるだけあって、きれいな跳躍である。


そのまま腕を振りかざし、ボールを打ち付けた。


本当に魔法を使ってるようで、おっぱいは躍動してくれない。


ボールは勢いよく相手のコートへと飛び、三人の間をすり抜けて砂浜に着地した。


アリシアさんがピーとホイッスルを鳴らす。


「エミリー、今日は一樹さんの歓迎も兼ねています。あまりやり過ぎないでください」


「hahaha、分かった。手加減するよ」

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