第250話自問

「朝だな」


窓から日の光が当たり、それによって俺は目覚めた。


一瞬、見慣れない部屋の様子で困惑したが、旅に来ていたことを思い出す。


「どうやら、安全のようだ」


ベッドから体を起こし、周囲に誰もいないことを確認した。


あの後、どの女の子も、部屋まで押しかけては来なかったらしい。


金髪爆乳も海の向こうだった。


「こんな苦労をしてる俺は、やはりラノベ主人公化してるのか?」


思わず自問してしまう。


性欲だけで突っ走っているような俺であるが、そのせいで辛い思いをするなら、本末転倒ではないのだろうか?


「でも、みんな大事なんだよ」


父と半永久的に別れ、母とも離れて暮らしてる俺にとって、家族同然の仲間である。


別れることなど考えられない、大切な連中だ。


「そういえば、本題は全くやっていなかったんだよな」


温泉やイメージが強いせいで見落としているが、旅の目的は別にある。


サラさんが好きなアニメの、聖地巡礼をすることだ。


がっつりオタクではない俺ですら聞いたことがあるほどの、有名タイトル。


実は、俺自身少し楽しみにしていたりする。


「ま、そんなことよりも朝飯だ」


おそらく、女の子たちは食堂に向かっているのだろう。


俺も向かうとしよう。

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