第251話食堂

「食堂はどこだ?」


部屋を出た後、ホテルの通路をうろうろと歩いている俺。


彷徨っていると案内図らしきものを見つけたので、それに従う。


「多分こっちのはず」


当たっていたようで、それらしい部屋が見えた。


朝早いのに人が多く、テーブルの大半が埋まっている。


テーブルのうちの1つに、我が同伴者たちは座っていた。


「こっちだぞ」


「待ってたよ」


「お兄様、おはようございます」


「一樹君、遅いですよ」


見れば、女の子が全員そろっている。


当然であるが、西洋系女子が3人もいるため、注目の的である。


よく考えたら、美少女5人の中に、フツメンの俺が混ざってしまうのか。


またも悪目立ちするな。


そんなことを考え、席についた。


「あなたの望んだ聖地巡礼ですよ。起きてください」


「今のウチが行きたい場所は、ベッドの中やで」


どうやら、約1名は半分ほど夢のなからしい。


穴埋めであるのに、ロリ陰陽師のほうが振り回されている。


「これも海賊の仕業ですかね?」


悪ふざけで、婚約者に話を振ってみた。


海賊とは、御三家最後の一角の蔑称である。


「そうかもしれないですね。誰かさんたちが、私の仕事を邪魔したのが発端ですし」


声から怒りを抑えているのが分かった。


「アイツらは賢者ではないくせに、悪知恵は働くよね」


嫁まで話に加わってくる。


いつものことだが、2人は御三家最後の一角嫌ってるな。


「ウチはよしかの安全を守ってくれたことに感謝してるで。バルキュリアちゃん、ありがとうな」


寝ぼけまなこの錬金術師がそう言ったことで、若干だが場の空気が悪くなる。


寝てればいいのに、余計なことを。


「とりあえず、今日向かう場所を確認しましょう。俺だって興味があるし」


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