第248話記憶

「まあ、とりあえず部屋に入って」


入り口で話していてもしょうがないので、サーシャを招き入れる。


変な行動をし始めないか、真剣に見つめながらだ。


「なんだか、目つきが怖いな。私はお前と性的な行為をする気はないぞ」


どうやら警戒されたようだ。


俺は性欲だけでできているわけでもないのに。


「そんなつもりはないよ」


一時的な快楽などより、俺は自分の大切な仲間のほうがよほど大事だ。


魔法で操られているなら、すぐに元に戻してやりたい。


洗脳されたサーシャとできても、全く嬉しくないしな。


「とりあえず、座ってくれ」


俺は椅子を指さす。


「ああ、そうさせていただく」


俺はいつでも動けるように、立ったままだ。


「家族の話というのは、どういうことなんだ?」


操られていないか確かめるため、話をさせよう。


「そのな、お前と一緒に、町を歩いたりしたことがあるだろ?」


「サーシャがかわいい格好をしたときの話?」


「その話は持ち出すな」


本当に忘れさりたい記憶であるらしい。


「俺としては、似合ってると思ったんだけどな」


美少女がきれいな服に身を包んでくれたら、見てる俺もうれしいし。


「でも、教官に騙されたことも含めて、サーシャはサーシャなんだと思うよ。そこも含めて俺は好きだな」


「ああもう。お前と言うやつは……」


呆れたような言い方だ。


「よく分からないけど、話を進めてくれていい?」


「ああ、その時に私の妹の話をしただろ? それについてだ」

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