第247話懸念
「残りはサーシャだけか」
関わった女の子への疲れを感じながら、俺はつぶやいた。
海の向こうから侵入してこない限り、そうなるはず。
同じヒロインの2回目イベントなんて、同じ夜に起きてはならない。
「しかし、サーシャだぞ」
専用機を渡された少しあとにデートをしたりしたが、基本的に不愛想な少女である。
精神系魔法で操られない限り、自分を安売りすることはないだろう。
今夜はこれでおしまいだ、と安心しかけた時である。
「少しいいだろうか?」
来るはずのない銀髪の少女の声が聞こえた。
どうやら今までの女の子のように、扉の前にいるらしい。
「どうなっているんだ?」
このホテルの中に知らない魔女が潜んでいて、いつの間にかサーシャを洗脳していたのだろうか?
それだと、ほかのお女の子も一緒にされている可能性があるな。
下手すると、全員が何者かにNTRされてしまう。
「お前と少し話がしたいんだ。いいだろ?」
俺が無視していると思ったようで、催促してくる。
「ああ、もちろんだよ」
そう言いながら、部屋の鍵を開けた。
洗脳されていても、いきなり攻撃されたりはしないと信じて。
銀髪の軍人に変わった様子はなく、いつもと同じように見えた。
「それで、話ってのはなんだ?」
いざとなれば、いつでも逃げられるように、身構えて話しかける。
本当に洗脳されていたら、絶対に助けてやるからな。
「話と言うのは、私の家族のことだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます