第246話一番

「ですから、わたくしを選んでください。わたくしだけを」


真剣さが伝わってくる声であった。


「と言っても、俺は誰か一人を選びたいとは思わないんだけどなあ」


魅力的な女の子に囲まれる、ハーレム生活が俺の目標である。


みんな幸せだし、それでいいんじゃないのかと思ってるんだが。


「わたくしはそうは思いません。何も選択していないのと同じです」


「そうかなあ?」


全員が一番でいいんじゃないのか?


「女の子は皆、自分を一番に選んで欲しいのですよ」


意味深な発言により、俺は返答につまる。


オリヴィアにも似たようなことを言われたし、俺は優柔不断なのだろうか?


「俺はそれでも無理に誰かを選ぶよりも、みんなと一緒にいたい」


所詮、それは俺のエゴであろう。


女の子を傷つけることになるのかもしれない。


きっと、正しい選択ではないのだろう。


それを分かったうえで、この道を歩きたいと思った。


「やっぱりそうなるわけですね。病気とも言えるのではないでしょうか?」


マイシスターは呆れていた。


「それでもわたくしは一番を目指します」


そう言い残し、彼女は部屋から去っていった。

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