第246話一番
「ですから、わたくしを選んでください。わたくしだけを」
真剣さが伝わってくる声であった。
「と言っても、俺は誰か一人を選びたいとは思わないんだけどなあ」
魅力的な女の子に囲まれる、ハーレム生活が俺の目標である。
みんな幸せだし、それでいいんじゃないのかと思ってるんだが。
「わたくしはそうは思いません。何も選択していないのと同じです」
「そうかなあ?」
全員が一番でいいんじゃないのか?
「女の子は皆、自分を一番に選んで欲しいのですよ」
意味深な発言により、俺は返答につまる。
オリヴィアにも似たようなことを言われたし、俺は優柔不断なのだろうか?
「俺はそれでも無理に誰かを選ぶよりも、みんなと一緒にいたい」
所詮、それは俺のエゴであろう。
女の子を傷つけることになるのかもしれない。
きっと、正しい選択ではないのだろう。
それを分かったうえで、この道を歩きたいと思った。
「やっぱりそうなるわけですね。病気とも言えるのではないでしょうか?」
マイシスターは呆れていた。
「それでもわたくしは一番を目指します」
そう言い残し、彼女は部屋から去っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます