第236話後悔

あの壁さえなければ、俺は美少女の裸を見れたのに。


人と人を分断するなんて、なんて悪い仕切り板である。


などと言うバカなことを考え、俺は露天風呂を後にした。


本当はメッチャのぞきたいが、それは絶対に不可能。


後悔の念が残る。


「それより、ほかのことを考えないといけない」


見た目こそ美少女ぞろいである我が同行者であるが、中身はかなり残念。


その中の誰かと、俺は一晩過ごさないといけないのだ。


童貞を捨てられると考えると心躍る側面もあるが、デメリットの方が大きだろう。


「俺、本当にパパになっちゃうのか?」


嘆きながら、俺は一人部屋を目指す。


母親にはバイトをしてるとしか伝えていないが、孫を紹介しないといけなくなってしまうのだろうか?


「特に危険なのはマイシスター」


一族内での地盤固めのためか、本気で俺の子を産むつもりらしい。


魔法の才能があるせいで、桜子が一族内で嫌われているということは知ってる。


だが、俺を変に巻き込むのはやめてほしいんだけどなあ。


一族に秘密があるらしいオリヴィアも要注意。


プライドは高そうだし、さすがに先輩は安全だろう。


変にサラさんが煽ってきそうな気もするが。


サーシャはよく分からんが、何もしないことを願う。


そんなことを考えて歩いていると、泊まる部屋の前にたどり着いてしまった。


誰と過ごすべきなのかの答えは出ていないのに。


「逃げちゃダメなのだろうか?」

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