第237話選択

部屋の前で待つことしばらく。


流石に女性陣は入浴が長いのか、なかなか出てこない。


「できれば、サラさんと一緒がいいな」


魔法なんていつでも捨てれるあの少女なら、俺の遺伝子なんて狙うはずがない。


だが、ほかの女の子が納得しないだろう。


「だったら、逆に複数人と一緒にいたら」


互いにけん制し合い、俺は無事に朝を迎えられるんじゃないのか?


そんなことを考え、待ち続ける。


「あ、やっぱりもう出ていたんだね」


「美少女との入浴は楽しかったで。うらやましいか?」


「一樹君。お待たせしました」


入浴が終わったようで、廊下の向こうに美少女五人の姿が。


「それで、ボクを選んでくれるんだよね?」


「今日は兄妹一緒に過ごしましょう」


「いやいや、一樹はんは婚約者と過ごすんやで」


三人が見つめ合う。


「私はどうでもいいぞ。お前らが好きに決めてくれ」


サーシャは興味がなさそう。


「じゃあ、かずきが決めなよ。誰と同じ部屋になるの?」


「当然、妹であるわたくしですよね?」


「ウチは婚約者のよしかと一緒がいいと思うで」


三人が俺に迫ってくる。


「俺が選ぶのは……」

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