第218話支持
「理解いただけてると思いますが、わたくしの専用機はこのオリハルコンを組み込む設計となっています。どうなるかお分かりですよね? おほほ」
「どうなるんだ?」
話の流れが理解できなかったので、近くにいた桜子に聞いてみる。
「金属を操る魔法を、専用機そのものに使用できると言うことです。部分的に硬くしたり、形状を変えて相手の意表を突いたりと、なんでもできるでしょう」
聞きながら思ってしまった。
「ひょっとして、この専用機は俺の上位互換か?」
訓練を続けているとはいえ、今のところ硬化魔法くらいしか使えない俺である。
「いえ、お兄様の専用機はデータ採取用ですね。設計のコンセプトが違うのですよ」
「そうなのか?」
大した成果も出せてないけど、お役御免にはなりたくない。
「おっと、話を聞かないと」
今の間にだいぶ聞き逃してしまった。
「わたくしは賀茂家の当主候補です。もちろん、その座を狙っていますわ」
一瞬の間が空く。
「ですので、もしよかったらわたくしと仲良くしてくださいませんか? わたくしができる範囲ですが、お気持ちにお答えしますわ。おほほ」
「やはり支持を取り込む狙いだった」
予想を外さない行為である。
会場はざわついた。今すぐに判断できないのだろう。
「少しいいですか?」
俺は乃之葉の前に出てる。
もしかしたら、話し合いのチャンスを潰してしまうのかもしれない。
でも、先輩をバカにされるのを聞くだけは嫌だ。
「はい、この会場にいる男性ということは、あなたがあの瀬川様なのですね」
「ええ、それと同時に、あなたの従妹の婚約者でもありますが」
若干の嫌味を混ぜて言った。
「失礼ですがその機体は本当に戦えるのですか?」
「どういう意味でしょうか?」
演技なのか、かわいらしいしぐさで不思議がっている。
「実戦でその魔法を使用したことがあるのか聞いています」
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