第217話開発
「では、さっそく見ていただきましょうか。もってきてください」
彼女がそういうと、台車を押す執事のような恰好の男が現れた。
その台車の上には大きな板のようなものが置かれていて、乃々葉はそれを手に取る。
「おーほっほっほ、これこそわたくしが開発した、文字通り魔法の金属ですわ。名はMメタルなんて、つまらないものではありません。おほほ」
会場に、陰陽師の笑いが響く。
「先輩をバカにしやがって」
変な格好とはいえ、美少女と言える相手にここまで怒りを覚えたのは、生まれて初めてである。
話し合う目的がなかったのなら、怒鳴り込んでいただろう。
「この金属はオリハルコンと名付けました。わたくしのマナ波長と親和性を持たせ、金属操作魔法をかけやすくなっています。実演してみましょう」
乃々葉は金属に対して魔法を使ったようで、マナの波長を感じる。
「ほら、近くに来て見てください。形質が変化しているますよね?」
遠めではあったが平べったい板が丸まり、筒のような形になったことは確認できた。
「それ以外にも、性質を変化させ、液体金属に変えることも可能ですわ。おーほっほっほ」
勝ち誇ったような笑い声である。
「先祖の書いた文献を読み、研究に研究を重ね、独自に開発できましたのよ」
やはり、先輩への当てつけであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます