第212話対面
源平合戦というものあった。
武士が日本の覇権をかけ、信念をかけて争った戦いである。
その勝者が日本の政治を担ったのは、学校でも習うことだ。
残念ながら勝ち組になれず、没落した武士もそれなりにいたとか。
「その子孫ってことなんですね」
目の前にいる少女の片方を見て俺は言う。
かなりややこしくなったため、何とか基地の部屋を借りて、話し合いをすることにした。
俺に先輩との結婚を懇願する2人と、対面している最中。
「はい、私は牛若丸の名前で知られる、九朗様の子孫です。名前は皆本雪子」
身長は高く、髪はポニーテール。
剣の達人のような凛とした気配をまとってる気がする。
武士の末裔なのは、本当かもしれない。
「なんか、話がこじれてそう」
俺はため息をついた。
変なものに巻き込まれるのはいつものことだが、まさか1度に2人も現れるというのは予想外である。
「いまだによく分からないんだけど、どうして俺と先輩を結婚させようとするんですか? 他人に言われてするものではないと思うけど」
先輩を後継者にするため、方便として婚約しただけであり、頼まれても結婚できないんですが。
言うとめんどくさそうなので、あとまで黙っておこう。
「それは、何としてもよしか様に後継者になってもらわないといけないからです」
怒りをかみしめるような声で、武士のほうが言う。
「どうして?」
こいつらも火薬に対する思い入れがあるのか?
「そうしないと我らの立場が危うい。あやつが後継者になった場合、何をされるか話からないからだ」
忍者の叫び声が響いた。
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