第196話設定
「魔女が設定作ってどうするの? そんなことをしなくても、キミは十分ファンタジーだよ」
これを言ったのは、当然俺の自称嫁である。
サラさんが販売イベントに出そうとし、俺たちが手伝うことになった本。
内容についての説明を聞き、俺たち五人は概要を理解した。
「話は、バトル系魔法少女もの」
魔法世界の住人と契約し、魔法を使う普通だった少女たちの話だ。
主人公はどこにでもいる平凡な女子高生。
事件に巻き込まれ、魔法少女になった。
怪物と戦い、最初は勝っていたが、不注意で仲間が死ぬ。
いつの間にかほかの仲間が裏切り、主人公たちは追いつめられていった。
疑心暗鬼になったり、仲間同士で争ったりと、ダークファンタジーとも言えなくない内容。
「流行ってるグロいやつですね」
流石、関西弁を身につけちゃうほどアニメ見てる人だよ。
「ずいぶん、ボクたちと違うロジックで魔法を発動させているね。血統による差別もないみたいだし」
良家の血を引いてるくせに、オリヴィアはこんなことを言った。
「それでも、魔法の才能に優劣はあるで」
「時々、俺みたいなイレギュラーがいたりするものなのかな?」
自嘲気味に言う。
「ま、そんな感じやな。構成は考えたし、本編を書くで。ほかにも表紙の構図を考えたいし、帯もつけようと考えてるんや」
「そこまでやるのですね」
「そうや。ウチは何千部も売るつもりやで。このイベント以降も店舗販売を続け、知名度をあげるんや。これでウチも神の仲間入りやな」
「一神教のくせに、神を安く言うのはね」
おそらく多神教である我が嫁が呆れた声で言った。
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