第97話呪い

「こんなのを使うとはね」


ボクことオリヴィアは、新兵器を見てつぶやく。


英国は武器について保守的だったはずだ。


「いつから米国みたいに、威力重視に変わったのだろう?」


このマナをチャージし、肩にのせて使う砲。


ほかにも三脚に乗せて、陣地に使ったりもするらしい。


ボクから得たデーターを使い、強いレーザーが放てるとか。


島国の防衛に必要なのか疑問に思う。


「一応、抑止力って意味かな?」


そこまでイギリスを攻めて得るものはないだろうし。


「まあいいや。利用させてもらおう」


本来であるなら、複数人が時間をかけてマナを流し、チャージするものである。


だけど、森の魔女ことゴールデンウッドの呪われた血統を受け継ぐボクなら、1人でも可能だ。


マナを流して数分後。


チャージが完了。


「こちらオリヴィア。準備完了だよ」


通信を使い、教官に連絡。


『もうじきサーシャも準備が終わる。それまで待っていろ』


「了解」


僕とサーシャの役目は単純な搖動。


一樹たちがカミに向かって進んでいるとき、注意をひきつけるのが狙い。


空中を進んでいる2人が間近まで迫ったら、カミはボクたちを無視し一樹たちを攻撃するだろう。


それでも、そうなるまでは注意を引くさ。


「サーシャ、うまくやるかな」


レーザーである僕と違い、氷弾を熱量操作も使って放つサーシャは、発射音がでる。


もちろん、カミに音が聞こえるより先に氷弾が撃ち込まれるわけだけど、風や重力の影響を受ける実体弾は外れるかもしれない。


その時は僕がレーザーでフォローし、カミを混乱させる予定。


「そうならないって信じてるよ」


キミは絶対に、当ててくれるさ。

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