第64話彼女たちの旅立ち

というわけで、今は駅のホームにいる。


「サンインか。地図で見てみたら結構遠いね」


今も稼働中の電車を待っている、ボクとサーシャ。


ちなみに、ボクたちの居る場所はカントウっていうらしい。


「だが、世界の果てにいるわけではない。すぐに会えるさ」


「うん。愛する旦那にもうじき会える」


自分のことを心配してやって来たボクに驚き、一樹は自分のキモチに気が付く。


「オリヴィア、お前が一番だよ」


そう言いながらボクに迫る一樹。


驚きながらも、ボクはそれをを受ける。


「電車が来るようだ。乗る準備をしろ」


「あ、ああ。そうだね」


サーシャに言われて、妄想の世界から現実に戻る。


「今度は、どんな女が相手なのだろうな?」


「うん。きっと、すごくめんどくさい相手なんだろうね」


「同意する」


そんなやり取りをしながら、ボクたちは停車した電車に乗り込んだ。


彼のもとを目指して。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る