第14話訓練②
周りと押し合う乱戦。
かなり走りにくそう。
「意外と大事らしいな」
自分の体の延長線のように使うAA。
しかし、思うようには動かせないらしい。
マナ操作が基本となっているし、機体のバランスもあるらしいからな。
下手をすると、すぐに転ぶ。
最初は、歩くだけで精いっぱいだとか。
「あ、それって俺じゃん」
どー考えても、ここで一番の初心者は俺だ。
他人事ではないな。
「早くうまくなって、いいデーターを」
そうやって、母に仕送りをする。
そんなことを考えながら、様子を見る。
転んでいるやつはいないが、ふらつく姿は見えた。
「やはり、うまいなあ」
委員長だからか、サーシャの走りは他よりもすごかった。
速いし、重心が安定している。
先頭集団の中でも、トップクラスだ。
もう、何人も抜いているぞ。
「サーシャ、ラスト一周だ」
「はい、教官」
「遅いぞ、オリヴィア。まだ2周もある」
「ええー? ボクもサーシャと同じで、あと一周だと思っていたよ」
魔女のくせに、意外と成績が悪いな
「ゴールだ。なかなかのタイムだが、まだ上げられるな」
「はい、精進に努めます」
しばらくして
「はー、やっとゴールだよ。疲れたなあ」
「お前はもっと精進が必要だ」
「魔女の仕事は肉体労働じゃないんです。ボクにはボクの戦い方がある」
「そういうことを言っていると、本当に死ぬぞ」
「すいませんでした」
怖かったのかオリヴィアが素直に反省する。
「2人とも、専用機を使っていないからな。感覚が違っているのかもしれない」
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