第13話訓練

「今からAA操縦の訓練を行う。いつも通りに行いたいのだが、今日は新入りがいるな。こいつはどうするか?」

 

教官の合図で、訓練が始まる。


「ええ。どうしましょう? 困っちゃいますね」


 俺はスーツを貰っていないからな。


 ちなみに、操縦スーツは全身を覆うタイプ。


 異世界化に取り込まれないための、防御術式が組み込まれているとか。


 作るのに手間もコストもかかる、大事なものらしい。


「明日までにお前のスーツを用意しておこう。今日は見学していろ」


「はい、そうします」


 教官の命令だ、従おう。


「では、AAを装着しろ。素早くな」


「「「はい」」」


 教官の命令に沿い、女子たちが格納庫を目指す。


 しばらくすると、彼女たちはAAを着て戻ってくる。


「あれは、ゴブリンか?」


 第2世代の汎用型。


 アメリカだかの企業が作ったとか教えられたけど。


「遅いぞ。異世界化が活性化したらどうする気だ? 私たちの敵は、AAを着るのを待ってはくれんぞ」


「教官、すいませんでした」


 委員長だからか、サーシャが謝った。


 着ている機体が、ほかと微妙に違う気がする。


 カスタム機か?


「謝ってすむ問題ではない。クリーチャ―との戦いで、命を落とすぞ」


「すいません」


 クリーチャってのは、異世界化に取り込まれた生物のことらしい。


「まあいい。それより次だ」


 教官はクラスの女子を見回す。


「このグランドを走るぞ。そのタイムを計測する」


「「「はい」」」


「走り込みか」


 部活みたい。


 わがクラスメートは、スタートラインに並ぶ。


 俺はそれを教官の近くから見るわけだが。


「演習場を5周だ。位置について」


 みんなは身構える。


「よーい、始め」


 教官の合図とともに,跳びだした。

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