第3話
次のチップは、12年前に大量殺人の罪で処刑された男の人格意識。
かなり有名な事件の犯罪者の流出物の複製商品。
自分を神の生まれ変わりと信じ、34人もの殺人を続けた異常者。
気が狂い世の中をさまよう感覚を楽しんだ。
最後のモノは、今回の買い物で一番高価で、なおかつ一番危ない臭いのするヤツだ。
今は分裂し存在していない 超 軍事大国の民主国大統領だった人物の意識。
粗雑複製を繰り返し繰り返し行った品のようで、かなり不安定な意識チップだった。
しばらくロードして楽しんでいると…来た!来た!!データ内に隠れていた、かなり強烈な破壊ウィルスが俺の脳で爆発した。
もちろん今回のような危ない遊びの為の対策として用意していた空きの第二、第三、第四の分化補助脳の方へ自動的に導き入れが行われ、強制回避行動がとられた。
だがこのデータのあまりにも悪質さの為、補助脳の防御線を乗り越え、タダミチのオリジナルの本体脳へも影響を与えてしまった。
気持ち良いくらいに脳が揺れ意識が無くなり、ぶっ飛んだ。
脳死の一歩手前で仰向けでころがっていた俺は10時間後、何とか助けだされた。
病院のベッドで眠りながらメディカル知能の強制侵入を受け病状の説明を受ける。これから1ヶ月ばかりかけ、徐々に意識内の汚染洗浄作業が必要らしい。
死ぬところだったが、何度味わってもこの究極の死の攻撃は、忘れられないしヤメラレナイ。
治療が終わった2ヶ月後、タダミチは、また、ふらふらと素子駅に途中下車し 古心通り を歩いていた。
《 お わ り 》
格安品 アンクロボーグ @ancloborg
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