第1章 第14話 勉強会
「水系統の魔術を氷魔術に変換する際には周りの空気も一緒に冷やすといいぞ。その冷やした空間は氷魔術作りやすくなるから」
「なるほど」
「ねぇ、アレンここは?」
「あーん?ここは──」
アレンとシャルテの決闘から三日。
シャルテの家では毎日こたつの机でアレンの勉強会が行われていた。
「それにしてもアレン君はすごいねぇー?灰が白に勝つだなんて世界で初めて何じゃないかな?」
「そうよねあなた?これで安心して娘達を任せられるわ〜!」
その様子を、夕食の時に使った机でお茶をしながらパパさんとママさんが眺めていた。
「ちょっと!娘を任せられるってどういう意味よお母さん!」
「そのままの意味よ」
「ありえないわよ、こんなクズみたいな穀潰しと!あれからずっと家でご飯食べていってるじゃない!」
「だって、この家の飯うめぇんだもん」
「理由になってないわよ!」
アレンは決闘の翌日から、毎日この家で食事をしていた。
「うふふ、でもそういうのもいいかもしれないよ?シャルテ」
「テルルまで何いってんの!?」
だが、それについて不満を言うのはシャルテだけで他3人は楽しそうだ。
もちろんアレンも。
「それにしてもアレン君。一体いつそんな事を学んだんだい?自慢だが、家の2人はこの村だけでなく世界的に見てもかなり優秀なはずなんだが」
「そこは自慢じゃないがって言うところじゃないですかねパパさん。⋯⋯まぁ、ガキの頃に結構勉強しててそれをまだ覚えてるだけっすよ」
その言葉にシャルテが尋ねる。
「そういえば、前にアレン子供の頃は夕食の時誰も喋らないで楽しくなかったとか言ってたけど、アレンの子供の頃って、一体どんなだったの?」
「──ガキの頃の俺は真面目で今とは正反対の性格だったよ。今ではこんなだけどな!」
「アレン、そこは自慢気に言うところじゃないかな」
ドャ顔なアレンにテルルが突っ込む。
場は笑いに満ちた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
その時、久遠の森で不思議な一行が村に向かって進み始めていた。
その一行は人にしては小さく、動物にしては大きく、
その一行はとんでもない数で、
その一行の中心には、馬の様なものに乗って進むものもいた。
・・
それは、ニヤッと笑いながら、馬のようなものを進めていた。
その翌日からだ。
久遠の森周辺で魔物が多く見かけられ始めたのは。
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