悪魔に呪われた女性
その女性は悪魔に呪われている。
その呪いは女性の意識を飲み込もうとしている。
女性自身はそのことを知らない。
私はその女性と一緒に暮らしている。所謂友達だ。他愛のない話をし、質素な食事を食べ、時々喧嘩をしては仲直りをする。
呪われているだなんて嘘みたいだ。
だが、日に日に嘘ではないことがわかる。
突然、勝手に体が震え出したり。寝ている間に宙に浮かび上がって笑い出したり。
私はそれを冷静に観察する。
女性はそれでも笑って過ごす。呪われていることを知らないのだ。
女性はふと言葉にする。
「夢を見るの。あなたが悪魔なんだけど、あなた自身は普通に振る舞うの。私もあなたと普通に暮らすの。あなたが悪魔だなんて嘘みたい。いっそ私が悪魔だったらいいのにって思って、そこで目が覚めるの」
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