日誌一日目 それはそれとして…

「んで…200年経った今はヘルアースとも交流をかなり深め 現在は新しい国連としても認定されている…と」

「まぁ、そうだな…」

クラックを間に挟み 秋山の横で藤田がパンフレット [アースとヘルアースのこれまで]を流し読みしている

ぼけーっとパンフレットを両手で上に掲げながら 子供のようである


「んでもあれっスよねぇ…よくここまで平和になったもんですよね」

「最初にお互いの事を敵と認識しちまったのが悪いだろうな…一番は時間による風化だ」

「確かに…」

藤田はパンフレットを椅子と尻の間に隠すように挟んだ。




そう…世界はとても平和になった…いや、平和に戻った といった方がいいかもしれない

今ではヘルアースの民 異人との交流も深まり今では観光客がクラックを通じて

地球を行き来している現状が続く…平和その物だ


二人の胸部に固定された無線機が震え 声が響く

『ぁー…E6番ゲート、こちらHE6番ゲート そちらに2名 通過する、情報を送るので

情報一致を確認してくれ』

「了解した」

「了解っス~」


二人はほぼ同時に立ちあがり腕に付けられた機械に触れる

「へぁっ…女性さんじゃないっスか!」

「いいか、黙って確認だけしろよ この前ジロジロみて厳重注意されたばかりだろ…」

「わかってますよ…ただ怪しいものとか…もってないとか…ね?」

「………」

そうこうしているうちに亀裂は淡い光を帯び 中心部から人影が見えてくる


「「ようこそ、アースへ」」

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